デンマークの教育制度3
出典: Jinkawiki
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すべての子どもが入園できる幼稚園
デンマークでは0~3歳児までを保育園、3~6歳児までを幼稚園で過ごす。また、0~3歳までは保育園に預けずに保育ママに預けることもできる。このように子どもの養育施設が充実しているのはデンマークでは働いている女性が全体の7~8割に当たるからである。だから3歳になるとほとんどの子どもが幼稚園に入るのだ。しかし、夜間に子どもを預ける施設はあまりない。なぜなら夜間に預けるニーズが少ないからである。その背景には配偶者との協力態勢がうまくいっているからであろう。
国民学校
幼稚園を終えると、国民学校に子どもたちは入学する。国民学校は0~10年生までである。0~9年生までの10年間が国民学校の教育の義務期間で、9年生になると国民学校を卒業する。0~6年生が日本でいう小学校で、7~9年生というのが日本でいう中学校を指す。このような意味合いがあるが、実際に国民学校は小・中学校の区別はなく、小中一貫教育といえるのである。9年生で卒業ということは10年生とは何か。それは高等学校や職業別専門学校に進学するにはまだ学力が足りない、あるいは精神的に大人になれていないといった理由でもう1年間だけ国民学校で過ごす人のためにあるのである。 また日本では小学校~中学校までの教育を「義務教育」というが、デンマークでは国民学校の0年生~9年生までを「教育の義務」という。その違いは学校に通わなくてもいいということである。学校に通うか、通わないかの判断はその親と子どもにゆだねられている。しかし実際にはほとんどの子どもが国民学校に通っている。
大学
理学療法士や教師などの学士号の必要な職業を目指す人は大学に通わなければならない。高等学校を卒業していればほとんどの人が進学でき、日本のような受験はない。しかし、卒業するには国家試験に受かることが必要である。デンマークの大学は入り口の敷居は低いけれども、出口は高いのだ。
参考文献:格差と貧困のないデンマーク 千葉 忠夫
nnna