Quipper
出典: Jinkawiki
←前の版 | 次の版→
目次 |
Quipper(クイッパー)とは
モバイルラーニング(モバイル端末を利用するeラーニング)アプリを提供している企業の名称、および、同社が提供する学習アプリの名称である。
歴史
マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、南場智子氏らと共にDeNAを創業し、多くの新規事業を手掛けてきた渡辺雅之が2010年にロンドンで設立した。本社はロンドンにある。ロンドンを軸として、ニューヨークと東京にスタッフを配置。その他のアジアの国にも展開し始めている。2015年夏からリクルートマーケティングパートナーズ(以下、RMP)傘下でグローバルなオンライン学習プラットフォームサービスを展開している。 資金調達に関しても、イギリスのアトミコ、日本のグロービス、アメリカの500startupsなど、世界中から行っている。 現在は世界9カ国で150万人の生徒、15万人の先生に使われている「Quipper School」を主力サービスとして事業展開している。Quipperが提供する学習アプリはすでに合計850万ダウンロードを達成しており、サービスはアジアの3万人以上の中学生・高校生と2000校上の学校で利用されている。アメリカ・東南アジアで高評価を得ているNo.1学習システムで、世界10カ国以上でサービスを提供し、拡大中の学習システムです。大手教育会社、ハーバード大学、コロンビア大学と練り上げた「継続」「学習効果」を最大限に高める。Quipperは9カ国で展開しているサービスを今後世界中に広げ、50万人規模の月間アクティブユーザーを400~500万人規模へと展開していこうとしている。
目的
国境や貧富の差を超えて誰もがアクセスできる知のプラットフォームを作り上げる。世界で誰もが学びたいものを自由に効率的に好きなだけ学べるようにする。 それをテクノロジーの力を駆使し実現させる。学ぶ中で出てくる様々なチャレンジを乗り越え、学ぶ人が自分の持つ可能性を信じられる。それを可能にするテクノロジーを、教える人と学ぶ人、それぞれに提供していく。教育はインターネットとデジタルデバイスの進化で一気に変革期に入ろうとしている。 紙や黒板の単純な置き換えではない、新たな価値を提案・創造し、教育サービスの新たな幕開けに貢献していく。 急速に競争が激化し始めたEdTech(教育とテクノロジーを掛け合わせた造語)の世界でポジションを獲得するためには、生徒や先生に選ばれる魅力的なコンテンツを作り続けることが何よりもの鍵となる。良質なコンテンツが充実すればするほど、相乗的に集客力は高まり、プラットフォームとしての価値は高まっていくと考えている。
特徴
学習アプリとしては、学習コンテンツをクイズ形式で出題する。形式はいわゆる「アジア式のドリル型反復学習」方式であるが、ユーザーインターフェースやユーザーエクスペリエンスの追究により、問題集にゲーミフィケーション要素を加え、飽きずに楽しみながら学習できるとしている。また、サードパーティーとしての出版社や、エンドユーザーも、コンテンツを作成し共有することが可能となっている。
メリット
Quipperが一度利用した先生にとって、なくてはならないものとなっている理由は、宿題や授業中の課題に関わるあらゆるプロセスをオンライン化したことで、先生のそれまでのオペレーション工数を劇的に削減したからだ。例えば、それまで先生がプリントを生徒たちに宿題や課題として与えるには、問題の作成、用紙の印刷、生徒への配布・回収、個別の丸付け、点数の管理などが必要であったが、Quipperによってそのプロセスをオンライン化することで、先生は宿題や課題を瞬時に配布・回収できるようになり、提出を促したり、授業に反映したり、親を巻き込むこともできるようになった。このわかりやすい価値によって、一度利用した先生はその後も使い続ける。どの国の先生も便利でやめられない、それによって生徒も使わざるを得ない状況になるといわれている。学習カリキュラムは国によって様々で、用意すべきコンテンツも異なるが、先生が宿題を出し、生徒が宿題をやらねばならないというのは世界中どの国も同じであるため、生徒にとっては宿題であるから使わざるを得ない。
コンテンツ内容
コンテンツの自作から課題配信から成績管理をワンストップでできる。既にある教材(一部有償)の活用や、教材の自作も簡単にでき、教務・管理で行う全てが、ワンストップで作業可能である。学習者も喜んで学習できる学習画面も充実している。デザインと機能性も優れていて、学習者が楽しく取り組めるよう、Webレスポンシブデザインを採用し、全ての端末にインストール不要なインターフェースを用意している。PC、タブレット、スマートフォンにも対応していて、充実したユーザ管理画面で学習者の学習データの入力は必要ない。学習者の学習履歴をリアルタイムに収集され、即座にグラフ化し、データはエクセル形式等で出力も可能である。
Quipper Video
いつでもどこでも自分のペースで学習できるオンライン講義動画サービス。実力派講師によって解説される短くまとめられた講義動画、図解説明の入ったわかりやすいテキスト、自分の苦手箇所がわかる到達度テストの三点セットによって、一人一人を自ら学べる生徒にする。教師向けプラットフォームであるQuipper Schoolを使うことで、先生は生徒に対しQuipper Videoを使った学習を促すことも可能だ。
Quipper School
小学校から高校まで、学校の教室で先生をサポートするオンラインラーニングマネージメントプラットフォーム。先生は限られた時間の中で、増え続ける複雑な校務、変化する教育過程の対応などに追われている。Quipper Schoolを通じて、先生の業務負荷を軽減するだけではなく、21世紀を生き抜く人材育成の手伝いをする役割がある。生徒数は4,000,000人、教員数は300,000人、講義動画は15,000つである。
今後の課題
2013年6月には、KDDIと提携してauのスマートフォン向けに中高生の学習支援サービス「GAKUMO」を提供する。 今後は宿題を与えるだけでなく、個別データをベースにした生徒別のチュータリングサービスや、学力測定の模試、さらには先生による独自コンテンツの作成・販売などにも広げていく計画で、世界中の教育のあり方を大きく変革する可能性がある。 現在はK12と呼ばれる小中高生を対象とした学習支援が主なサービスだが、社会に出てからも欠かせないものである、例えば就労に関して資格を取る、プログラムのコーディングを学ぶ、さらにはネクタイの結び方や魚の釣り方まで、これら全てが学習できるプラットフォームを確立することが挙げられる。
参考文献
・琴坂将広(2014)『領域を超える経営学』ダイヤモンド社
・Weblio辞書「Quipper」https://www.weblio.jp/content/Quipper
・RECRUIT 「Quipper」https://www.recruit-mp.co.jp/service/quipper.html
・Quipper School Japan「Quipper school」https://www.ja.quipperschool.com/
ハンドル名:ar