サブプライムローン問題2

出典: Jinkawiki

2018年12月17日 (月) 23:36 の版; 最新版を表示
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サブプライムローン問題とは、アメリカ合衆国の住宅バブル崩壊による一連の世界的な金融・経済危機のことである。


サブプライムローンとは

サブプライムローンとは、米国の住宅ローンの形態の一つで、クレジットカードで延滞を繰り返すなどの信用力の低い個人や、低所得者層を対象にした住宅ローンのことをいう。仕組みは、当初の借入金利は低めに設定し、数年後から高金利になるというもので、住宅価格の上昇で住宅の担保価値が上がればより低金利のローンに借り換えることができた。しかし住宅バブルの崩壊──住宅価格の下落と金利負担の上昇により、ローンの延滞や債務不履行(返済不能)が急増し、多くの個人が破産して自分の家を失うこととなった。

問題点

対象の信用の低さ

金を持たない者が住宅ローンを組むことは通常難しいことであるが、このサブプライムローンでは、極端な例をあげれば、借金のある者でもローンを組むことができるものであった。このような信用力の低い、住宅ローンを着実に返済していくことのできないと予想される者も対象にして貸してしまったことが問題としてあげられる。また信用の低い者に金を貸す場合、金利は高くなる。これは貸す側が返済されないリスクが高いと考えるためである。これもまた問題としてあげられ、通常のローンの金利より高く設定をされることで信用力の低い者はより返済をすることが難しくなった。

証券化

信用の低い者に金を貸し出す住宅ローン会社は、返済されないというリスクを抱えることになる。そのため住宅ローン会社はこのリスク軽減を目的として、金を貸した者の債権を証券会社に売るという方法を取り、リスク軽減を行った後、証券会社に売った金を貸し出しに回すことで利益を得ていた。しかしながらこの債権を引き受けた証券会社はリスクを抱えることになるため、この債権を証券として世界中に販売する方法を取った。組み合わせた金融商品の一つが駄目になった場合でもリスクを軽減させることを目的とした証券化であった。

不動産価格の下落

本来サブプライムローンは証券化を目的としてたものではなく、リスクも存在したにも拘らず上記の証券化を行ったのは、当時のアメリカが不動産バブルであったためである。放っておいても不動産価格が上昇していく状況であったため、返済ができない場合は住宅の回収を行えばよいと考えられていた。また、ローンを組む者の側も住宅価格が上昇してから売るつもりでローンを組んでいた。しかしバブルは崩壊し不動産価格は下落、売却をしても利益にならず多額のローンを抱えることになり、貸した側もまた資金を回収することができなくなった。

影響

最終的には、世界金融危機を引き起こすことなった。2007年8月のパリバショックや2009年のリーマンショックなども一連の流れの中で起こったものである。世界各国の株価暴落、為替相場の乱高下、金融機関やヘッジファンドなどの破綻、短期金融市場の混乱、新興国市場からの資金流出、世界同時不況による需要消失など、世界恐慌の一歩手前の危機が引き起こされた。

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