自衛隊6

出典: Jinkawiki

2019年1月15日 (火) 17:07 の版; 最新版を表示
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1.自衛隊とは  日本の平和と独立を守り,国の安全を保つため,直接侵略および間接侵略に対して防衛することをおもな任務とする部隊および機関。1954年6月に自衛隊法により定められた。防衛省に属し,陸上自衛隊,海上自衛隊,航空自衛隊からなる。1950年6月の朝鮮戦争勃発をうけて,同 1950年8月日本国内の治安維持のため警察予備隊が創設,さらに 1952年4月海上保安庁に海上警備隊が設置された。同 1952年7月に制定された保安庁法に基づいて保安庁が設置されると,警察予備隊は保安隊と改称,海上警備隊は警備隊として保安庁の管轄下に移った。1954年6月防衛庁設置法(→防衛庁)および自衛隊法が成立,翌 7月に新たに航空自衛隊が設置され,陸,海,空の 3自衛隊が発足した。1954年当時の兵力は,陸上自衛隊 12万6487人,海上自衛隊 4105人,航空自衛隊 5702人。2015年3月31日現在,陸上自衛隊 13万8168人,海上自衛隊 4万2209人,航空自衛隊 4万3099人(平成27年版『防衛白書』)。 自衛隊の最高指揮権をもつのは内閣総理大臣であり,防衛大臣は内閣総理大臣の指揮監督を受けて自衛隊の隊務を統括する。各自衛隊の部隊および機関に対する防衛大臣の指揮監督は統合幕僚長,陸上幕僚長,海上幕僚長,航空幕僚長を通じて行なわれる。

2.自衛隊の特殊性  すでに軍隊の内実を備えるといった自衛隊であるが、日本国憲法第9条によって他国軍とは異なる特質を持つこともまた事実である。

⑴「盾としての自衛隊」  憲法上攻撃的な役割を果たせない自衛隊が、日米同盟のもと、その「矛」の役割を在日米軍に委ね、自らは防御的な「盾」の役割に徹している。そのため自衛隊は「専守防衛」(敵国から攻撃を受けたときにはじめて武力を行使する受動的な防衛戦略)と「非核三原則」(核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず)という原則)を基本対策としている。自衛隊は核兵器はもちろん、敵基地攻撃能力も持たない。またこの「盾」の役割は国際平和協力活動にも敷衍され、の個での自衛隊の活動の基本は殲滅や鎮圧ではなく復興支援や後方支援である。

⑵「文民統制の伝統」  民主主義国家では軍事に対する民主主義的な統制(シビリアンコントロール)が基本原則となっている。日本においても、自衛隊の「最高指揮監督権」を有するのは内閣総理大臣である。また、内閣を構成する防衛大臣が統合幕僚長を通じて自衛隊の運用に関して指揮を執ることにもなっている。

3.「現代の自衛隊の課題」  「存在する自衛隊から機能する自衛隊へ」という自衛隊改革は今なお進行中である。その過程で、自衛隊の特殊性にかかわるいくつかの問題が浮き彫りになっている。 ⑴敵基地攻撃力の導入  北朝鮮による核・弾道ミサイル開発が急速に進むにつれ、その武力攻撃を受ける前にミサイル発射基地を攻撃する能力を保有すべきとの議論が政府内外で高まっている。

⑵「平時の自衛権の導入」  自衛隊は、防衛出動以外の行動では武力行使はできないが、この問題をめぐる議論が先鋭化しているのが、尖閣諸島防衛を念頭に置く「グレーゾーン事態」への対処においてである。武力行使の条件とされる外国政府からの武力攻撃が明確に認定できない以上、自衛隊は防衛出勤に踏み切ることができない。そこで、武力攻撃に至る以前の「平時」においての自衛権行使を容認することの是非が問われている。

(参考文献) 『防衛省・自衛隊』(http://www.mod.go.jp/)

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