環太平洋戦略的経済連携協定
出典: Jinkawiki
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環太平洋戦略的経済連携協定
別名、環太平洋経済協定、環太平洋連携協定、環太平洋経済連携協定など多くある。 シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4カ国が参加する自由貿易協定で、2006年5月に発効した。さらに、米国、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシアが参加を表明し、新たな枠組みの合意に向けて9カ国で交渉している。米国は11年11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議までの合意を目指している。 2010年3月から、米国、オーストラリア、ぺルー、ベトナムを加えた8カ国が、環太平洋パートナーシップ(TPP)交渉を開始した。環太平洋戦略的経済連携協定は、TPPの訳語として用いられることもある。TPPは、自由化レベルが高い包括的な協定である。モノやサービスの貿易自由化だけでなく、政府調達、貿易円滑化、競争政策などの幅広い分野を対象としており、物品の関税は、例外なく10年以内にほぼ100%撤廃するのが原則。工業製品や、農産品、金融サービスなどをはじめ、全品目について、2015年をめどに、関税全廃を実現するべく協議が行われている。APECの目標を共有し、より、広範な自由化を進めることが協定の目的とされ、加盟国の合意により、参加国を拡大できる。09年の米国の参加表明により、関心が高まり、参加国の増加が見込まれており、アジア太平洋地域の新たな経済統合の枠組みとして発展する可能性も指摘されている。 日本では、10年10月に開かれた、「新成長戦略実現会議」で、菅直人首相が、TPPへの参加検討を表明。参加による、政治的・経済的な意義に加え、参加しなければ、自動車や機械などの日本の主要産業が、自由化でリードする韓国と比べて、海外市場で不利になるなどの試算もあり、経済団体を中心に、参加を支持する声が大きい。一方で、関税撤廃による、国内農林水産業への影響などを懸念して、農協や漁協などの生産者団体を中心に、参加に反対する意見もある。 また、環太平洋戦略的経済連携協定の前身は、2002年10月のアジア太平洋経済協力首脳会談において、ニュージーランド、シンガポール、チリの3カ国が著名した経済協力の構想である。全ての産業品に対し、関税を撤廃するという枠組みは、ニュージーランド、シンガポールとの間の2国間協定をベースとしているとも言われている。 日本では、2011年11月初旬にかけて、日本国内では、TPPへの参加の是非を巡って様々な議論が繰り広げられた。2011年11月12日に、野田首相は、バラク・オバマ大統領に、TPPへ参加する意向を表明した。また、11月13日に、アジア太平洋協力会議に参加し、同席上でTPPへの参加方針を表明した。
参考文献
「異常な契約:TPPの仮面を剥ぐ」 ジェーン・ケルシー 著者 東京:農山漁村文化協会 2011年6月
https://www.weblio.jp/content/%E7%92%B0%E5%A4%AA%E5%B9%B3%E6%B4%8B%E6%88%A6%E7%95%A5%E7%9A%84%E7%B5%8C%E6%B8%88%E9%80%A3%E6%90%BA%E5%8D%94%E5%AE%9A
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