国境2
出典: Jinkawiki
国境とは、いうまでもなく国と国との境界線。正確には「国家領域の限界」と定義され、領土のほか領水、領空からなる。つまり、その国の陸・海・空における領域の範囲を各手負いするのが国境だ。古代、中世では国境線ははっきりと決まっていなかった。国境の概念が一般化したのは近代に入ってからである。1648年にヨーロッパで調印されたウェストファリア条約によって、初めて国境の概念が明確になったとされている。当時、ヨーロッパでは、プロテスタントとカトリックの30年に及ぶ宗教戦争が繰り広げられていた。ドイツ、フランス、スウェーデンなどの主要国は、ドイツのウェストファリアで国際会議を開き、戦争終結に向けた話し合いを実施。その場で、主権国家は明確な国土を有するものとされ、その国土を他国が侵すことは固く禁じられた。こうして、陸続きのヨーロッパでは「国家の基盤は自国の国土をもつことである」という共通認識が成立した。 世界地図の上には多くの国境線がひしめき合っているが、各国の国境線をよく観察してみると、形状によって大きく二つに分類できる。「不規則に曲がった国境線」と、「きれいな直線で引かれた国境線」だ。不規則な曲線の多くは自然の地形によって決まったもので、長い歴史を有している場合が多い。周辺を囲む海が自然と国境線になったイギリス、日本などの国境線、高く険しい山脈が境界線になったフランス・スペイン間の国境線、チリ・アルゼンチン間の国境線などが代表例としてあげられる。一方、きれいな直線の国境線は、多くは国家間の話し合いなどによって人為的に設定されたもので、近代以降に成立した比較的新しい境界線である。井戸や軽度などを基準にしたり、人口的な道路や壁などを基準に設けられているため、見た目には分かりやすい。だが、そこに暮らす住民たちの言語や文化、生活様式を無視して設けられるケースが多々ある。こうした直線的な国境線の例としては、アフリカ諸国の国境線があげられる。