パレスチナ難民
出典: Jinkawiki
パレスチナ難民とは
パレスチナの地にかつて住んでいたユダヤ人が、世界各地で流浪の民となったことから迫害を受け、先祖の土地に戻ってきましたが、今度はそこに住み着いていたアラブ人と紛争が起きるようになったのです。 イスラエルの建国に怒った周囲のアラブ諸国がイスラエルに攻め込んだことから始まった「第一次中東戦争」。その結果は、イスラエルの圧勝でした。イスラエルは、国連が「アラブ人の国」と決めていた領土までを占領してしまいます。 一方、イスラエルの南側のエジプトも、地中海沿いの一部の地域を占領しました。この部分が、現在の「カザ地区」になります。イスラエルが占領した土地から逃げ出したアラブ人たちが、同じアラブ人でイスラム教徒の国であるエジプト占領下の地域に逃げ込んだことで、ガザには、大勢のアラブ人がすむようになったのです。その一方で、ヨルダン川の西岸は、ヨルダン川東岸にあるヨルダンが占領しました。ヨルダンもアラブのイスラム国。こちらにも、イスラエル占領下の地域から大勢の人が逃げてきました。 現在のイスラエルとパレスチナの関係でいうと、ガザ地区とヨルダン川西岸地区がパレスチナ自治区になっているのは、このとき難民となったアラブ人が大勢逃げ込んだ場所だからなのです。 イスラエル占領地から逃げ出し、周辺の国やガザ地区、ヨルダン川西岸で難民となった人々は、「パレスチナ難民」と呼ばれました。パレスチナともと住んでいた人たちだったからです。 この人たちは、民族としてはアラブ人であり、信じる宗教はイスラム教です。つまり周囲のアラブ諸国の国民と民族も宗教も同じなのですが、「パレスチナ難民」と呼ばれ続けることで、「自分たちはパレスチナ人なんだ」という意識が生まれてきます。こうして、「パレスチナ人」が誕生します。
参考文献
池上彰 「日本の問題よくわからないまま社会人している人へ」 海竜社 関真興 「総図解よくわかる世界の紛争・内乱」 新人物往来社
HN:T.K