出典: Jinkawiki

東日本大震災とスリランカ

かつて戦後の荒廃から復興を成し遂げた日本を襲った阪神淡路大震災。そしてその痛手がようやく癒えてきたかとだれもが思ったところへ、さらに規模の大きな自然災害が日本を襲った。2011年3月11日に発生した東日本大震災である。その被害は2015年12月10日の時点で、震災による死者・行方不明者は1万8458人、建築物の全壊・半壊は合わせて39万9831戸（警察庁資料より）という途方もない数字であった。しかも同時に発生した福島第一原発の事故により、放射能汚染を恐れて地元住民が避難したばかりでなく、国外に退去する外国人も少なくなかった。戦後からの復興、阪神淡路大震災からの復興に総力を挙げて取り組んできた日本の国民は、再び奈落の底に突き落とされたのである。 しかしそんな中でも、日本が感謝されてきた国々は、再び支援を寄せてくれた。

たとえばサンフランシスコ講和会議で日本を国土分割の危機から救ってくれたスリランカ（当時はセイロン）が2004年のスマトラ沖地震とインド洋津波で莫大な被害を受けた際、日本は緊急無償資金協力や、テント、浄水器、毛布、発電機、衣料品などの緊急援助物資の供与、債務支払いの猶予措置など実行。それに対してスリランカは、東日本大震災の際に、日本に対して復旧支援チームの派遣や、義捐金・紅茶ティーバッグの提供などを行ってくれた。 避難所でカレーをふるまってくれたスリランカの人たちの映像は、多くの日本国民の心を打った。困った時にはお互いを助け合う、感謝の輪がここでも広がっていたのだ。

参考文献

井沢元彦　「日本人が知らない世界の中から愛される日本」　宝島社

池上彰　「池上彰が読み解く！戦後ニッポンの総理の決断1945―いま」　小学館

HN:T.K