外国人労働者9
出典: Jinkawiki
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外国人労働者とは
現在、日本には外国人(移住)労働者とその家族などが数多く住み、生活している。十九世紀後半からの歴史も反映し、日本国内で働く外国人の状況は多様である。近年は労働力不足もあって日本国籍を取得した人、日系二世三世の人、研修・実習制度で来日した人たちも増え、他民族・多文化の傾向が進行している。外国人労働者とは、そのような人々が日本で働くことを示す。
多民族・多文化共生の社会を目指して
経済のグローバル化と労働力移動の国際化がすすむ中で、外国人労働者の日本への入国が急増している。そのもとで、外国人労働者の人権擁護や労働条件保護など、国際基準に合致する差別と偏見のない他民族・多文化共生の社会の実現に向かうことが、日本の進むべき道と考えられている。
外国人労働者受け入れ国
日本はすでに、外国人労働者受け入れ国である。2014年の在留外国人数は209万人弱で、厚生労働省の外国人雇用状況の届出によると、その数は約72万人である。届出は全事業所に義務付けられているが、捕捉率は十分ではなく、また自営業者や在日コリアンなどの「特別永住者」は届出の対象外であるから、それらを加えると、就労する外国人は100万人を上回ると予想される。 日本において1980年代後半に始まる労働市場への新たな外国人の登場は、製造業を中心とした人手不足、昂進する円高、アジアおよび南米諸国との経済格差の拡大という条件のもとで起こった。
労働者の権利と課題
人が国境を越えて他国で生き、働くとき、言語の不自由さや不慣れな労働事情、仲介業者の介在など、多くのリスクを背負う。特に国境を越えて働く女性が増えている今日、その弱さ、傷つきやすさにつけこむ人権侵害が行われがちである。日本社会の現状は、雇用、社会保障、教育、住宅、言語をはじめ多くの解決を図らねばならない問題が山積みしている。同時に、低賃金・無権利の非正規労働者の急激な社会問題化したその解決が求められている。
外国人労働者の問題
研修生・技能実習生の劣悪な労働条件が社会問題化したり、「人の移動」を含む非本とアジア諸国との経済連携協定や自由貿易協定締結の動きが加速しているという新たな情勢のもとで、全国労働組合総連合は考え方を示す必要性が生じてきている。これまで外国人労働者の日本への受け入れに関して、「権利を守りつつ秩序ある受け入れを」という基本方針を確認してきた。また、改めて「外国人労働者問題に関する全労連としての考え方」を提案し、広く労働者・組合員の議論を呼びかけている。
私たちができること
2020年の東京オリンピック開催に伴って、観光や応援等で異文化の人々が、より多く日本に訪れることが予想される。そんな中、小学生の英語の教科化など、英語でコミュニケーションをとれるようになることが期待されている。このように、私たちが異文化についての理解を深めることも大切であると考える。
参考文献 平田勝(2009)『〈研修生〉という名の奴隷労働 –外国人労働者問題とこれからの日本』花伝社 宮島喬・鈴木江理子(2014)『外国人労働者受け入れを問う』岩波書店