新自由主義6
出典: Jinkawiki
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概要
新自由主義とは1980年代にミルトンフリードマンらシカゴ学派が提唱し、欧米の経済政策に影響を与えた市場原理主義経済学説である。
歴史
1960年代まではケインズ派の主要産業の国有化を図ることで企業の自由な競争を制限し、富の再分配によって社会公正を目指していくやり方が主流であったが、第二次世界大戦後にイギリス経済の停滞や、アメリカ経済でのスタグフレーションなどによってケインズ派の理論は「大きな政府」と批判されるようになった。この現状を打開するために提唱されたのが新自由主義である。国営企業の民主化や公共事業の縮小、規制緩和などによって自由な経済活動を可能とし、各国の経済を立て直した。国家が先導するのではなく、民営化によって各企業の競争を煽ることで経済を成長させていくこの理論はイギリスのサッチャー、アメリカのレーガン、日本の中曽根康弘など国のトップらに大きな影響を与えることとなり、各国が「小さな政府」を掲げて公営企業の民営化や規制緩和に努めた。
問題点
一方で新自由主義によってもたらされた問題点もある。大きな問題としては、自由競争が促進されることによる経済格差の拡大が挙げられる。経済の停滞時にこのような自由競争を促すことはとどまっていた経済の流れを新たに動かす効果があるが、自由競争が過熱しすぎる、もしくは半端に経済が回復している状態で「小さな政府」を掲げて行動に移すことは傷口を広げてしまう恐れがある。日本国内でも、バブル崩壊後に経済が未回復の状態で消費税の増税と規制緩和を行ってしまったために、その後の不況が長引いてしまったという考え方もされている。新自由主義はその自由性が魅力であるが、タイミングなどを間違えると格差を広げることにつながってしまうのである。
参考図書 2011 格差社会と新自由主義 放送大学教材 坂井 素思,岩永 雅也 著
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