複数言語主義

出典: Jinkawiki

2019年1月19日 (土) 03:38 の版; 最新版を表示
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定義

複言語主義(plurilingualism)とは欧州評議会(言語政策部門)2による新造語であり、通常の英語辞書には掲載されていない。このためこの語の翻訳には、たいていの翻訳者が困っている。この概念は欧州連合体(EU: European Union)でも理解されているが、まだこの語は採択されるにいたっていない。日本においては「複数言語主義」(山川 2005)といった訳語もあるが、ここでは吉島・大橋、他(2004)に倣い、「複言語主義」という訳語を採択する。「複」という接頭辞の方が、「複数」よりも、plurilingualismという語の新造性や言語能力の非離散性(後述する「統合的」性格)を示すためには好ましいと筆者は考える。なお、個人の言語能力の非離散性・統合的性格を強く表現するためには「複合言語主義」といった訳語も考えられるが、「複合言語」という表現は「複合語」とも混同されかねないのでこの論文では「複言語主義」という訳語を採択し、「複合的」という表現は個人の言語能力を形容する時にのみ用いることとする。


メリット

①国、地方独自の言語が残るため、独自の文化が育まれる大きなきっかけになる。

⇒どの民族でも平等に繁栄するきっかけにつながるし、自分達の文化に誇りを持てるため人権面でも非常に大切。

②様々な文化が発展するため、異文化交流により新たな創造が期待できる。

⇒世界史でいう欧米と中国、欧米と中南米、欧米とインド、日本と中国、日本とオランダなど数えきれない。日本はオランダから西洋医学を学ぶなどして技術を急激に発展させ、オランダは日本から浮世絵を輸入し、新たな印象派美術が欧米で流行した。和と洋の融合なんて言われるように、今の日本も異文化の欧米との出会いがあったからこそ。

③国や地域によって価値観は多様であることを知れる。

⇒アメリカ、カナダ、ブラジルのように人々がそれぞれ違うルーツと文化を持つ国は多様性に寛大な傾向が強い。違って当たり前意識のため「自由」がある。

日本や韓国はみんな同じのため、同化すること、同じであることを強いる傾向が非常に強い。言語問題からは飛躍しすぎだが、日本韓国や東欧といった異民族が少ない単一色の強い国家は自殺率も高い傾向がある。


デメリット

①複雑な民族対立の元にもなる

⇒言語は民族をカテゴリー分けするのに重用される傾向があり、対立の道具にもなる。

②言語文化の違いによって思わぬ対立を生むことがある

⇒日本語は遠回しな言い方が好まれるのに対して、英語や中国語はストレートな表現を好む傾向があり、ちょっとした言い回しやニュアンスの違いで大きな対立を生む。親日国として日本人から絶大な人気を誇る台湾は後者側でストレートな表現を好むため、日本人と台湾人のトラブルは実は多かったりなど。

③過激なナショナリズム、リージョナリズム、排外主義に利用される。

⇒○○語を話せない奴は非国民だ!とか。外国人だけでなく、同じ国民の少数民族にも矛先が向けられる。

④世界には200を超える国があり、何だかんだ共通語になるものがないとやっていけない 参考文献 多言語主義とは何か 三浦信孝 藤原書店(1997)


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