福島県2
出典: Jinkawiki
福島県は、日本の都道府県の一つ。県庁所在地は福島市。東北地方の南部(南東北)に位置。面積は北海道、岩手県に次ぐ全国3位、都道府県別の人口は全国21位、人口密度は全国40位である。市町村別では、日本海側に面積の4割弱と人口の15%弱が、太平洋側に面積の6割強と人口の85%以上が分布する。
地理
- 1.地形
- 平地
- 福島盆地(信達平野)、会津盆地、郡山盆地、白河盆地、猪苗代盆地
- 山地
- 奥羽山脈、阿武隈高地、越後山脈、那須山地
- 島
- 翁島
- 山
- 吾妻山、安達太良山、栗子山、霊山、磐梯山、飯豊山、燧岳、会津駒ヶ岳、帝釈山、会津布引山、浅草岳、日山、蒲生岳、大滝根山、宇津峰山、八溝山
- 高原
- 会津高原、磐梯高原、阿武隈高原、羽鳥湖高原、甲子高原、布引高原
- 峠
- 土湯峠、板谷峠、鳩峰峠、国見峠、大峠、六十里越、八十里越、沼山峠、藤峠、中山峠、山王峠、駒止峠
- 川
- 阿武隈川(支流:荒川、松川、摺上川、大滝根川)、阿賀川(支流:只見川、日橋川、長瀬川)、久慈川、宇多川、請戸川、夏井川
- 湖沼
- 猪苗代湖、五色沼 (福島市)、五色沼 (北塩原村)、尾瀬沼、松川浦、沼沢湖、雄国沼、曽原湖、桧原湖、秋元湖、小野川湖、奥只見湖、田子倉湖、若郷湖、羽鳥湖、母畑湖、さくら湖、茂庭っ湖
- 湿原
- 尾瀬、田代山湿原、駒止湿原、谷地平湿原、雄国沼湿原
- 2.気候
- 福島県は東西に広く、さらに海岸や山地の地形装飾を受け、標高差も大きいため同じ県内であっても気候差は大きい。
- 西から順に「会津」と「中通り」、阿武隈高地の東側の「浜通り」の三地域に別れている。
- 会津地方
- 日本海側気候となり雪の多い地域となっており、全域が豪雪地帯(半数以上が特別豪雪地帯)に属する。また内陸性の気候でもあり寒さは福島県の中でも厳しく、標高の高い地域は−20°C以下にまで下がることもあり、亜寒帯(冷帯)湿潤気候に属する。会津盆地は東北地方の太平洋沿岸、内陸部に冷害をもたらすやませの影響を受けることも少なく、フェーン現象により高温となることがある。只見川流域は日本屈指の豪雪地帯として知られ、その雪解け水を利用した水力発電が盛んである。
- 阿武隈高地
- 標高が高い内陸性気候で、日照時間も多いために放射冷却が効きやすく、氷点下10°C を下回ることも少なくないほど冬の寒さが厳しいが、太平洋側気候のために積雪は少ない。夏季は冷害を受けることも多く冷涼である。
- 中通り地方
- 基本的に内陸性気候の特徴が混じった太平洋側気候であるが、阿武隈川流域の西側は冬型の気圧配置が強まると日本海側気候の影響を受け降雪することが多く、福島市の一部などが豪雪地帯に指定されている。降水量は1,100 - 1,400mmと東北地方の中では少ないほうである。全般に北へ行くほど標高が低くなるので、夏季、冬季ともに温暖になる。したがって、年間を通じて福島盆地が最も気温が高く、桜前線もその標高差により北部の福島盆地(65m)より始まり、郡山盆地(240m)、白河盆地(360m)と南下して行く。夏の最高気温も最高気温の高い順に福島市、郡山市、白河市となる。福島盆地は夏は酷暑となることが多く、冬は中通り地方の中でも最も降雪の多い地域であるが、曇りの日が多いうえに、標高も最も低いため朝晩の冷え込みは最も弱い。
- 浜通り地方
- 太平洋沿岸部は暖流(黒潮)の影響により夏は涼しく、冬は暖かい顕著な海洋性気候である。夏から秋にかけて台風の影響を受けやすい。特にいわき市の小名浜周辺は東北で最も温暖な地域であり(南関東平野部の気候に近い)、降雪も東北では最も少ない。事実、小名浜の1月の平均気温は3.6°Cと、さいたまの3.5°C、佐倉(千葉県)の3.3°C、八王子(東京都)の3.1°Cよりも高い。
- 3.自然公園
- 国立公園
- 磐梯朝日国立公園 / 尾瀬国立公園 / 日光国立公園
- 国定公園
- 越後三山只見国定公園
- 県立公園
- 霊山県立自然公園 / 霞ヶ城県立自然公園 / 南湖県立自然公園 / 奥久慈県立自然公園 / 磐城海岸県立自然公園 / 松川浦県立自然公園 / 勿来県立自然公園 / 只見柳津県立自然公園 / 大川羽鳥県立自然公園 / 阿武隈高原中部県立自然公園 / 夏井川渓谷県立自然公園
福島県は東西に長い形状をしているが、2つの山地によって会津・中通り・浜通りの3つの地域に分かれており、天気予報でもこの呼称が使われている。西から順に、奥羽山脈と越後山脈に挟まれている会津、阿武隈高地と奥羽山脈に挟まれている中通り、太平洋と阿武隈高地に挟まれている浜通りとなっている。地形的に山地で隔てられているために、山越えした地域同士の交流は浅く、気候や文化にも差があり、3地域での同一県として帰属意識は低い。また南北においても城下町として栄えた会津若松を中心とする北会津地方と南会津地方、宿場町だった郡山市をはさんで県北地方と県南地方で歴史の違いや交流が乏しい傾向がある。同様に沿岸部においても相双地方といわき市にもこの傾向があることから、福島県は他県に比較すると一つの県としての統一感に乏しい傾向にある。福島県では、町はすべて「まち」、村はすべて「むら」と読む。東北6県の中で唯一、「ちょう」と読む町が存在しない。
- 人口(2018年10月1日現在の推計人口)
- 福島県の総人口は1,862,705人(中通り 1,149,241人 / 浜通り 450,452人 / 会津 266,485人)
歴史
幕末から福島県成立まで[編集] 1868年 - 1869年、戊辰戦争 会津戦争 白虎隊 諸外国の接近によって、幕府の政治が停滞。その中で尊王攘夷や開国といった主導で日本を立て直そうとする各藩の武士たちが京都に押し寄せた。白河藩主阿部正外は江戸老中として諸外国との折衝にあたり、神戸港を開港したことで攘夷派の公家などの反感を買い老中を罷免され、白河藩は棚倉へと移封され藩主不在となったにも関わらず、東西両軍にとって要衝の地と目された白河は戊辰の一大激戦地となる悲劇を生むこととなった。当代の会津藩主松平容保は京都守護職となり、京都の治安維持を担った。そして禁門の変では、孝明天皇を奪取しようとした長州藩勢から御所を守り抜いた。 しかし、新たに政治を担いたいと幕府を廃しようと目論む薩長同盟(薩摩藩・長州藩)との衝突が、大政奉還後の鳥羽・伏見の戦いから生じ、朝廷側を血守したにも関わらず朝敵に落とされてしまい、相争うが徳川幕府側は幾度も敗北を重ねた結果、戦禍が東北にまで伸びてしまった。圧倒的な西洋戦法を有する薩長の軍勢に、会津藩士は元より、奥羽越列藩同盟の磐城平藩や中村藩などでも各藩の勢力や民衆は徹底して反撃を繰り返したが、降伏してしまった。 廃藩置県 江戸時代幕末に置かれた藩及び城郭、交代寄合陣屋としては会津藩、支城の猪苗代城、二本松藩、棚倉藩、中村藩、三春藩、磐城平藩、福島藩、泉藩、湯長谷藩、下手渡藩、水戸藩支藩の守山藩、幕末に徳川幕府直轄地となった白河城、仙台藩の支城谷地小屋城などがあり、交代寄合の溝口家の横田陣屋、その他に代官陣屋もあった。 明治初期、版籍奉還後の1869年(明治2年)の太政官令により、陸奥国(むつのくに)南端である現在の福島県域は陸奥国から分離し、西側が岩代国(いわしろのくに)、東側が磐城国(いわきのくに)となった。岩代国は現在の福島県中通り地方の中北部と会津地方。磐城国は現在の福島県中通り地方南部と福島県浜通り地方と宮城県南部(亘理郡、伊具郡、刈田郡)にほぼ相当する。 1869年(明治2年)7月20日、福島藩が重原藩に移封され幕府領となっていた伊達郡、信夫郡を管轄するために福島県(第1次)が設置され、安達郡の二本松藩領37村、伊達郡の幕府領42村、盛岡藩領8村、棚倉藩領4村、館藩領2村、信夫郡の幕府領43村、重原藩領19村、足守藩領11村、新発田藩領8村、関宿藩領6村、二本松藩領4村、棚倉藩領2村、宇多郡の幕府領1村を管轄した。この第1次福島県は後述の二本松県(第2次)に統合され、わずか2年で廃止されている。 1871年(明治4年)7月(旧暦)の廃藩置県で全国に多数の県が生まれた後、同年11月(旧暦)に現在の福島県域は、岩代国の会津地方(旧会津藩領の越後国蒲原郡の一部[のち東蒲原郡]を含む)が若松県、岩代国と磐城国からなる中通り地方が二本松県(第2次、二本松県になって、わずか12日間後に県庁が信夫郡福島町に移転、福島県に改称したのでほとんど機能はしていない)、磐城国はほぼそのまま磐前県(いわさきけん)の3つの県として統合された。 1876年(明治9年)8月21日に、福島県(第2次)、若松県、磐前県が合併され、現在の福島県(第3次)が成立した。その際、磐前県北部(亘理郡、伊具郡、刈田郡)が宮城県に、磐前県南部の一部が茨城県に移管され、さらに1886年(明治19年)に東蒲原郡が新潟県へ移管されて、現在の福島県域になった。これらの変遷は最後の東蒲原郡移管を除いて、1869年(明治2年)の藩の制度化の後、1871年(明治4年)の廃藩置県から1876年(明治9年)までの短期間に行われた。 福島県成立後[編集] 1882年(明治15年) - 福島事件が発生。 1888年(明治21年)7月15日、磐梯山噴火(檜原湖・小野川湖・秋元湖が形成される)。 1891年(明治24年)9月1日、東北本線全通。 1894年(明治27年)12月26日、信夫郡福島町で県内初めて電灯が点灯。 1895年(明治21年)信夫郡庭坂村に県内初の水力発電所完成。 1899年(明治32年)4月1日、北会津郡若松町が市制施行し、若松市となる。 1900年(明治33年)7月17日、安達太良山大噴火。 1907年(明治40年)4月1日、信夫郡福島町が市制施行し、福島市となる。 1910年(明治43年)4月、若松-坂下間に県内初の乗合バス路線が開業。 1917年(大正6年)8月13日、米騒動発生。 1922年(大正11年)4月1日、福島高等商業学校(後の福島大学)が発足。 1924年(大正13年)9月1日、安積郡郡山町・小原田村が合併・市制施行し、郡山市となる。 1937年(昭和12年)6月1日、石城郡平町・平窪村が合併・市制施行し、平市となる。 1940年(昭和15年)、福島県の全新聞が福島民報に統合(一県一紙完成)。 1942年(昭和17年)10月、歩兵第29連隊(会津若松)、ガダルカナル島の戦いにおいて2,200名戦死。 1944年(昭和19年)11月、東邦銀行が福島貯蓄銀行を合併し、県内唯一の地方銀行となる(一県一行完成)。 1945年(昭和20年)4月2日、郡山空襲。 1949年(昭和24年)4月1日 - 西白河郡白河町・大沼町が合併・市制施行し、白河市となる。 1956年(昭和31年)5月、県が財政再建団体となる。 1974年(昭和49年)1月、会津地方で記録的豪雪。 1986年(昭和61年)8月5日、8.5水害発生。 2011年(平成23年)3月11日14時46分頃、三陸沖を震源とするM9.0の東北地方太平洋沖地震が発生(東日本大震災)。県内の大部分が震度5弱-6強の激しい揺れに襲われた。また浜通り地方を大津波が襲い、東京電力の福島第一原子力発電所に被害が及ぶ(福島第一原子力発電所事故)など多くの爪痕を残した。
福島県を舞台とした作品
- 映画
- 百万人の大合唱(1972) / 原子力戦争(1978) / 戦国自衛隊(1979) / 男はつらいよ 柴又より愛をこめて(1985年) / 遊びの時間は終らない(1991) / 釣りバカ日誌8(1996) / 容疑者 室井慎次(2005) / 親父(2006) / フラガール(2006) / ハーメルン(2012)
- テレビドラマ
- 十字路(1978) / 獅子の時代(1980) / はね駒(1986) / 白虎隊(1986) / ひまわり(1996) / 花嫁は厄年(2006) / 風林火山(2007) / 白虎隊(2007) / 八重の桜(2013)
- アニメ
- 黒塚 KUROZUKA (漫画:2002、アニメ:2008) / 宙のまにまに(漫画:2005、アニメ:2009) / ダンタリアンの書架(漫画:2010、アニメ:2011) / 劇場版 ハヤテのごとく! HEAVEN IS A PLACE ON EARTH (漫画:2004、映画:2011) / 未確認で進行形(漫画:2012、アニメ:2014)
尾瀬、田代山湿原、駒止湿原、谷地平湿原、雄国沼湿原