地球温暖化23
出典: Jinkawiki
←前の版 | 次の版→
1 地球温暖化と温室効果
地球から放出される赤外線を吸収する性質をもった大気を「温室効果ガス」という。太陽から届く日射が大気を素通りし地表面で吸収され、熱された地表面から赤外線という形で熱が放射される。温室効果ガスがそれを吸収し、その一部を再び下向きに放射し、地表面や下層の大気を加熱し、地表面より高い温度となることが温室効果である。 地球温暖化とを、人間の活動が活発になるにつれて、「温室効果ガス」が大気中に大量に放出され、地球全体の平均気温が上昇する現象のことである。
2 問題点
地球は温室効果のおかげで、約33.5度分温められている。大気の温室効果は、すべての地球生命にとって、「命の恩人」ということができる。しかし肥大化する人間活動によって、地球大気中の炭酸ガスやメタンなどの濃度が上昇し、大気の温室効果が人為的に強まることが問題である。
3 影響
気温は1970年代以降上昇し続けている。温室効果ガスと気温の上昇とが関係があるのは明らかである。地球全体の年平均気温は1906~2005年までの100年間に約0.74度じょうしょうしている。他にも、20世紀に入ってから北極の氷河の面積が10年ごとに約27%減少している。炭酸ガスの濃度は第一次産業革命前には280ppmであったが、現在390ppmと40%も増加している。農用地開発のための森林伐採と石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料の使用が大きな原因である。温暖化が進めば、「異常気象」が異常ではなくなり、自然と人間経済にひずみを与えると考えられる。気温が上昇するにつれて、「世界各地で干ばつ、集中豪雨、強い台風、ハリケーン、サイクロン、熱波など異常気象による災害」が頻繁に発生している。
4 世界・日本による温暖化への対応
まず、先進国の温室効果ガスの排出量を2000年までに、1990年レベルに削減することが地球サミットで採択された。しかし、その主要目標は達成できなかった。実際、温室効果ガスの排出量は主要な先進国では3倍前後も上回っている。そこで、京都議定書では、先進国全体で温室効果ガスを約5%削減することを定めた。基準年を1990年として、2008年から2012年までの第一期に国ごとに定められたレベルまで削減するというものである。発展途上国に対しては数値目標による削減義務は定められていない。「温暖化が起こらなくて後悔せずに済むような」政策をとるだけでは不十分であり、それ以上の行動が求められている。
参考文献 今井清一・今井良一(2014)『環境教育論ー現代社会と生活環境ー』鳥影社