独裁政治

出典: Jinkawiki

2019年1月19日 (土) 22:12 の版; 最新版を表示
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独裁政治

・独裁政治とは

 特定の個人・党派・階級・身分などの少数者が国家権力を独占し、恣意(しい)的に行う政治。ローマ時代では非常事態に対処するために任命された統治者による政治の形態であったが、現代ではナチズム・ファシズム・スターリンなどの政治や第三世界の国に見られる軍部による政治などがこれにあたる。

・主な独裁者

 主な独裁者の代表にはまずナチ党の党首アドルフ・ヒトラーが挙げられる。アドルフ・ヒトラーは1933年1月30日にドイツの首相に任命され、目的を達成するために恐怖政治に頼った。悪名高いアウシュビッツ収容所にはまず人種的または生物学的に劣っていると見なされる人々が投獄されたが、のちにユダヤ人の投獄も始まった。この背景にはナチスドイツはタブー視されている人種差別を国家として正当化し、遺伝子を管理することで彼らが最高と考える偏った世界を創造しようとしたことが考えられる。  続いてロシア共産党を率いたスターリンが挙げられる。 スターリンは、1929年にスターリン政権を樹立し、同年からの第一次五か年計画、つづく第二次五か年計画の10年間を通して、社会主義国家の建設を目指して工業化と農業集団化を推し進めた。この間、特に1930年代は政治的な対立者や、独裁体制に批判的な人々を厳しく処罰し、粛清が行われ、スターリンに対する個人崇拝が強まった。1936年制定のスターリン憲法では、ソ連の社会主義の建設は完了したと認定され、ソ連共産党という「党の支配する国家」が完成し、党の指導者スターリン支配が揺るがないものとなった。   ・主な独裁政治のメリット・デメリット

 独裁政治のメリット ・話し合う必要がなく、独裁者が「こうしよう」と決めるだけなので決定するまでが早い。 ・独裁者が「こうしよう」と決めるだけなので足の引っ張り合いがない。 ・長期的に一貫した政治が行われやすい。  独裁政治のデメリット ・独裁者が独りで決めるので不平等 ・権力が暴走した場合、独裁者を止める方法がない(クーデターなどの暴力的な方法でしか止められない)

・現在の中東に独裁政権が多いわけ

 現在の中東やアフリカに長期政権が多いわけとして1919年のフランスのパリで行われた講和会議でアメリカのウィルソン大統領が「民族自決」を提案したが、そこでイギリスとフランスが反対し、生まれたものが「委任統治」が影響している。仕組みとして、当時の国際連盟によって統治された国が、独立国家ではない地域を統治する仕組みとなる。第一次世界大戦で敗戦したドイツ帝国の支配下にあったアフリカの国や同じく敗戦国となったオスマン帝国の支配下にあった中東地域が委任対象となった。  いろいろな民族や宗教間の争いを抑え込むには「強い力」が必要であり、軍がトップに立つと、自分たちも裏切られるかと心配になって他人を信用できない独裁政権となる。またそのような独裁政権を許してきた国際社会にも問題がある。産油国の多い中東に対し、欧米は石油欲しさから独裁者に甘くなりがちであり、独裁者は石油を買ってくれるから、親米になりがち。さらにイスラム過激派が出てくると、その勢力を独裁者が押さえ込んでくれるのでお互いに都合がよくなる。こういったことが原因となっている。

参考文献

・スターリン/スターリン体制 https://www.y-history.net/appendix/wh1502-122.html ・「民主主義」と「独裁主義」のメリット・デメリット https://seizisuki.com/minnsyu-dokusai ・「池上彰」 池上彰が読む「イスラム」世界 KADOKAWA 2014初版


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