文化

出典: Jinkawiki

2008年8月3日 (日) 20:45 の版; 最新版を表示
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文化とは、人間が長年にわたって形成してきた慣習や振舞いの体系を指す。

衣、食、住などの日常生活に関わる慣習や習俗、さらにそれを支える芸能、道徳、宗教、政治、経済といった社会構造まで文化の幅は非常に広く捉えられてきた。イギリスの人類学者エドワード・タイラーは、上述のようなものに加え、人間が社会の成員として獲得したあらゆる能力と慣習が文化に含まれることを指摘している。また、タイラーは単独の要素よりも様々な文化要素の複合に着目し、それらが全体として文化を構成すると主張している。

人間は他の動物に較べ、環境に適応し生存していくための身体的特徴が少ない。動物の場合、肉食動物には牙や爪があり、寒冷地に住む動物が獲得した厚い毛皮や皮下脂肪など、生存のための顕著な有機体的特徴・機能を持っている。これに対し人間は、生存手段を生物としての身体的特徴以外に持っている。狩の際には狩猟のための文化、即ち狩の道具や獲物を解体する道具を用い、気候が寒冷ならばそれに適した文化、即ち体温維持可能な服装や住居・生活習慣を生み出してきた。このように、文化は有機体としての身体的特徴を発達した大脳の機能に基づく記憶や知識、思考などによって作り上げたものでカバーし、よりすぐれた道具を使うことで乗り越えてきた。文化のこの性質のために、人間は多様な環境に適応することができ、技術の進歩や社会体制・思想の変化などに応じ、新たな文化体系を生み出してきた。


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