Brexit(イギリスのEU離脱)

出典: Jinkawiki

2020年1月3日 (金) 17:34 の版; 最新版を表示
←前の版 | 次の版→

 Brexitという造語は文字通り読めば、bretain(イギリス)がexitする(出ていく)という意味であり、つまりイギリスのEU離脱を意味している。移民問題などを契機に始まったEU離脱論争は政党の選挙とも絡んでいる。現在、離脱強行派であるポリス・ジョンソン首相率いる保守党が政権を握り、イギリスはEU離脱への方向を強めている。


[ヨーロッパ統合の歴史]

 まず、戦後のヨーロッパにおいてドイツ・イタリア・フランス・ベネルクス3国の計6か国が参加するECSC(ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体)が1951年のパリ条約の調印によって、1952年に発足した。次に、1957年に3月に調印したローマ条約によって、1958年1月にはEEC(ヨーロッパ経済共同体)とEuatom(ヨーロッパ原子力共同体)が発足した。その後、1967年にはECSC、EEC、Euatomが合体し、EU(ヨーロッパ連合)となった。


[EUの目的]

・第二次世界大戦後、ヨーロッパの平和を目的としてEUは作られた。

・はじめは経済的な市場の統合(通貨統一、関税同盟、単一市場など)を目的として始まるが、最終的には政治的な統合も見据えていた。

・国境を越えての自由な移動を可能にする。

・しかし、イギリスや北欧はユーロ通貨を使ってないなど、加盟国は政策によって参加していない部分もあるなど、EU地域内では仕組みが全て共通とは言い切れない。


[イギリスがEUを離脱する理由]

 上記のような流れで、EUは形成され、目的を果たしてきた。しかし、イギリスはEUを離脱することで、EU加盟国としての利点を失うことになる。それでも、イギリスがEUを離脱しようとする理由について説明する。

・移民や難民を受け入れることに対して否定的なイギリスにとっては、EUの移民難民受け入れ政策に賛同し難い。

・独立国家としての歴史と伝統的な文化を持つイギリスにとって、ヨーロッパ統合による利点よりも自国の権限を守りたい。

・EU加盟いによるメリットを、より多く享受しているドイツへの不満がある。

・EU加盟国間での経済格差に対して、豊かな国からお金を徴収して、貧しい国に支給しようという国家がいる一方で、イギリスはそうした是正対策に反対である。


[Brexitによる影響]


[参考文献]

・「現代ヨーロッパ経済 第5版」(田中素香・長部重康・久保広正・岩田健治,2018,有斐閣アルマ)

・「英国のEU離脱とEUの未来」(須網隆夫・21世紀政策研究所,2018,日本評論社)

DSkg(ハンドル名)


  人間科学大事典

    ---50音の分類リンク---
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                          
                  
          

  構成