フェアトレード4
出典: Jinkawiki
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フェアトレードの概要
フェアトレードとは、生産者が人間らしく暮らし、より良い暮らしを目指すため、正当な値段で作られたものを売り買いすること。直訳すると「公平・公正な貿易」。つまり開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易の仕組み」を言う。 フェアトレードが始まったのは、第二次世界大戦が終わってすぐ後の1947年。アメリカの国際協力NGOでボランティアをしていた女性が、プエトリコというところで女性たちが作っていた手工芸品を買い取って、バザーなどで販売したのが始まりと言われている。その後ヨーロッパのNGOも同様の活動を開始。1960年代にしっかりとした仕組みづくりが始まり、「開発貿易」へと変わっていった。それにともない、フェアトレードを専門とする団体やフェアトレード製品を売るフェアトレード・ショップが生まれた。
フェアトレードが必要な理由
日本では途上国で生産された日用品や食用品が、非常に低い価格で販売されていることがある。一方、生産国ではその安さを生み出すために、生産する人の健康に害を及ぼすといった事態が起こっている。例えば、正当な対価が生産者に支払われないことや、生産性を上げるために必要以上の農薬が使用されて環境が破壊されることが挙げられる。生産者が良いものを作り続けていくためには、生産者の労働環境や生活水準が保証されるだけでなく、自然環境にも優しい配慮がなされる持続可能な取引のサイクルを作っていくことが重要になる。そのため、開発途上国の原料や製品を、適正な価格で売り買いができる「公平・公正な貿易」をして、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指すことが必要なのである。また、フェアトレードが必要とされる背景は、製品によって異なる。例として、コーヒーとカカオを挙げる。
・コーヒー
生産国のほとんどは、いわゆる開発途上国と言われている国々である。情報入手や市場への販売手段を持たない個々の小さな農家たちの多くは、中間業者に頼らざるを得ない状況を過ごしている。生産や生活に十分な利益を得られずに不安定な生活を余儀なくされていることで、子どもを学校に行かせることもできない。その状態を改善するために、フェアトレードでは個々の小さい農家がまとまり、協力して生産できる組合を作った。組合を作ることで規模が大きくなったことで、市場と直接つながり交渉力を身につけたことで組織を発展させた。
・カカオ
チョコレートの原料であるカカオは、発展途上国の約1400万人もの人たちがカカオの生産によって生計を立てていると言われている。またカカオの生産には、大人だけでなく子どもも関わっている。その「児童労働」が発展途上国が抱える深刻な問題になっている。その数は、約1億5,200万人、世界の子どもの10人に1人にあたる。その温床となっているのがカカオ豆の農家の状況である。児童労働が起こる原因には、社会の慣習や伝統、教育制度や福祉制度が整備されていないことも挙げられるが、一番の原因は、経済的貧困だと言われている。国際フェアトレード基準では、児童労働を禁止し、安全な労働環境を保証している。
国際フェアトレード認証ラベル
フェアトレードの明確な基準を設定し、それを守った製品にラベルを張っている。ラベルを貼ることで分かりやすく伝え、フェアトレードを広めていこうという経緯で誕生した。国際フェアトレード認証ラベルは、その原料が生産されてから、輸出入、加工、製造工程を経て「フェアトレード認証製品」として完成品となるの各工程で、国際フェアトレードラベル機構が定めた国際フェアトレード基準が守られていることを証明している。
参考資料
フェアトレードジャパン、「フェアトレードとは?」、https://www.fairtrade-jp.org/about_fairtrade/why_fairtrade_cacao.php
R.E.