扇状地
出典: Jinkawiki
扇状地(せんじょうち、alluvial fan)とは、河川が山地から平野や盆地などの平坦地に流れ出す際、傾斜が減少し運搬力が弱まるために、目の粗い土砂などが山側を頂点として扇状に堆積した地形のこと。扇子の形と似ていることからこの名がある。扇状地の頂点を扇頂、末端を扇端、中央部を扇央という。扇状地は地図上ではきれいな扇形の等高線を描く。扇状地の土は大小さまざまな大きさの礫からなっており、とても水を通しやすい。その下には元からある平地が存在する。そこで浸透した地下水は下で受け止められる。そのため、扇央部では河川の水のかなりの部分が地下を流れる伏流水となり、地上の流量は減る。伏流水は、扇端部で湧水として現れる。水を失った結果、地上の川が水無川となることもある。扇頂下部では井戸が掘れ、さらに下がった扇央部では帯水層からの水圧を利用した自噴井が設置できる。 扇頂部は勾配が大きく面積も小さいため利用しにくいが、峠越えの交易路となる場合が多い。そのため宿場町的な谷口集落が立地する。扇央部は河川の伏流により地下水位が低く乏水地となるため、水田には利用しにくい。しかし、扇央部は日当たりや水はけが良く果樹栽培に適しているため、果樹栽培が盛んである。扇端部では、湧水帯があり水を得やすいため、古くから集落や水田が立地する。主な形成地は、山形県の山形盆地、山梨県の甲府盆地がある。
参考 ・http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%89%87%E7%8A%B6%E5%9C%B0 ・瀬川 聡著『センター試験 地理Bの点数が面白いほどとれる本』中経出版(2005) ・『新編ビジュアル地理』東京法令出版(2003) ・九州高等学校地理教育研究会編著『新地理B要点ノート』啓隆社(2005)