楽市・楽座
出典: Jinkawiki
楽市・楽座(らくいち・らくざ)は、日本の近世(16世紀から18世紀頃まで)において織田信長、豊臣秀吉の織豊政権や各地の戦国大名などにより城下町などの支配地の市場で行われた経済政策である。
・楽市
信長の城下の市では、誰もが商いをしていいというもの。 当時のたいていの城下町などの市では「上納金」や「賄賂」などで許可されたものしか商いができなかった。だから、領主には一応収入はあったが、限られたマーケティングであった。
・楽座
信長の城下では「座」を認めない。誰でも新規参入できるというもの。 当時は領主や寺社が認めた「座」に所属しないと企業することができなかった。「座」とは専売を許された集団のことで、「油座」を例にあげると、座に加わっていない者は「油を作ることも売ることもできない」仕組みが常識であった。座主である領主達は座から上納される金銀で潤ったが、民百姓は座が取り決めた販売価格でしか購入できないので、困っていたのであった。
・楽市・楽座の政策
信長は、フリーマーケティング(自由市場)や座の廃止を領国で実施した。一見、安定した上納金が得られなくなるかのようにみえるが、大勢の商人が流入してくることで、諸国の情勢を知ることができた。また、価格の自由競争によって価格が下がり、領国の民百姓はもちろん家臣達も喜んだ。
この「楽市・楽座」は信長の発案ではなく、すでに各地で実施されていた。しかし、信長が天下をとったので有名になったのである。