季節風
出典: Jinkawiki
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季節風(モンスーン)
語源
季節風は英語ではモンスーンmonsoonというが、これはアラビア語の季節を意味するマウシムmausimを語源とする。マウシムは元来は年に一度の祭りとか、養蚕の季節とか航海の季節などを広くいう場合に用いられた。中世にインド洋からアラビア海を広く航海したアラビア人たちにより、1年を周期とする季節風の吹き回しを指す語となり、その後「季節風」を意味する気象用語として広まった。
季節で変わる風
海岸付近では常に風が吹いている。これは「海陸風」といって、陸は暖まりやすく冷めやすい、海は暖まりにくく冷めにくいという海陸の熱に対する性質の違いから起こる現象である。昼間は、海も陸も太陽の日射で熱せられているが、陸のほうが海よりも暖まりやすいため、陸のほうが海よりも温度が上昇する。よって陸地で空気が上昇し、その空気は海上で下降し、地表では海から陸に向かって風が吹く。これが海から陸に吹く海風である。夜間は、反対に陸のほうが海より冷えるため海上で空気が上昇し、その空気が陸地で下降し、地表では陸から海に向かう風が吹く。これが陸から海に吹く陸風である。
季節風(モンスーン)
海陸風が巨大な規模で発生したものが「季節風(モンスーン)」である。「季節風」とは、冬と夏で風向きが反対になって持続的に吹く風のことである。冬場は大陸が海洋に比べて低温となり、大陸に寒冷高気圧が形成されるため、大陸から海洋に向かって風が吹く。逆に夏場は、大陸が強い日射によって暖められ高温となり、上昇気流が発生し低気圧が形成されるため、海洋から大陸に向かって風が吹く。
日本の季節風(モンスーン)
日本では夏場には北太平洋高気圧から吹き出す南東風が卓越し、冬場にはシベリア高気圧から吹き出す北西風が卓越する。大陸からの季節風は乾燥しているのが普通であるが、日本海を渡る間に暖流の対馬海流が流れている海面から水蒸気の供給を受けて変質して湿った空気となる点が特異的である。この湿った季節風により日本海側に大雪がもたらされる。
沖縄地方では、北寄りの季節風は10月から3月にかけて、夏場の南寄りの季節風は5月から8月にかけて吹き、季節風の交代が顕著な地域である。また南西諸島は世界でもっとも大きなユーラシア大陸と、もっとも広大な太平洋の間の季節風帯に属し、特に冬場の季節風が発達する場所である。
世界の季節風(モンスーン)
例えば、インドから中国南部にかけての南部アジア地域は、冬の間は大陸上の高気圧から吹き出すおおむね北東寄りの風が吹き、雨量も少ないが、夏になるとインド洋から湿った南西風が噴き上がって大量の雨が降る。この南部アジアやオーストラリアの北部などが、世界中で最も典型的な季節風の見られる地域である。
参考
植田宏昭 監修・保坂直紀 著 「図解雑学 異常気象」 ナツメ社
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%A3%E7%AF%80%E9%A2%A8
http://www.okinawa-jma.go.jp/ishigaki/school/200312/kisetu.htm