弥生土器
出典: Jinkawiki
・弥生土器とは
弥生文化に用いられた軟質、赤焼きの土器。縄文土器に後続し、古墳時代の土師器に先行する。1884年(明治17)に東京本郷の弥生町向ヶ丘貝塚(弥生町遺跡)で採集された土器がもとになって、90年代から「弥生式土器」の名称が生まれた。弥生土器が行われたのは、弥生文化の領域、すなわち南は九州地方から北は東北地方までである。その南と北では沖縄先史時代後期土器と続縄文土器が行われた。ただし最近では、沖縄本島を弥生文化の領域に含める可能性も論じられている。
・器種と用途
特定の形、容量、装飾を備えた器を器種と呼ぶとき、弥生土器を構成する主な器種に壺、甕、鉢、高杯があげられる。 壺は胴が丸く、頸がすぼまり、口が大きく外反する形を典型とする。主要用途は貯蔵にあり、実際に米、桃(種子)、貝製の腕輪を収納したまま出土した実例もある。貯蔵用の穴蔵に壺がたくさん入っていることもあり、籾や米を蓄えたことも疑えない。 甕は、大きさ、容量によって用途が異なる。容量2~7リットル程度の小型、中型品が煮炊きに使われた。内部に飯がこげついて残っていることも多く、米を直接煮て食べる調理法が一般的であったことを証明している。大型の甕は火にかけた痕跡をとどめておらず、水を蓄えたと考えられる。 鉢・高杯は、食物を盛り付けるための器である。