プランテーション
出典: Jinkawiki
プランテーションとは、大規模工場生産の方式を取り入れて、熱帯、亜熱帯地域の広大な農地に大量の資本を投入し、先住民や黒人奴隷などの安価な労働力を使って単一作物を大量に栽培する大規模農園のこと。経営主体は、国営、企業、民間など様々である。
プランテーション作物の主な生産国
サトウキビ (ブラジル、インド、中国、マレーシア) 茶(インド、中国、スリランカ) カカオ (コートジボアール、ガーナ、インドネシア、マレーシア) コーヒー (ブラジル、ベトナム、コロンビア) バナナ (インド、エクアドル、ブラジル) 天然ゴム (タイ、インドネシア、インド、マレーシア)
プランテーション作物の輸出の割合が多い国
エチオピア(コーヒー) ケニア(茶、コーヒー) セントビンセント・グレナディーン諸島(バナナ) エクアドル(バナナ) ガーナ(カカオ)
「安価な労働力」は、かつては植民地の原住民あるいは奴隷であり、現在は発展途上国の農民であったり、土地自体が先住民から奪われて経営者に売られていたりなどするため、労働者の人権が問題とされることがある。また水質汚濁・森林破壊・農薬問題などの環境破壊が問題とされることも多い。
プランテーション作物の多くは商品作物であり、国としてはこれを輸出することで外貨を稼がざるを得ないが、これに依存している度合いが高い国の場合、自然災害などの影響を受けると経済が立ち行かなくなってしまう。こういった経済構造はモノカルチャー経済とも呼ばれる。こうした構造が原因で国内で必要とされる食物の生産がおろそかになり、飢餓の原因の一つになっているとされる
プランテーションの歴史
産業革命以降、先進国の植民地とされた国々においては、伝統的な産業が衰退に追いやられ、仕事を求めて農村に流入する。農地の利用について需要と供給のバランスが崩れ、小作料が高騰する。そうなれば収入の少ない自国のための食糧でなく、利幅の多い商品作物等輸出のための農産物を栽培せざるをえなくなる。それまで当然のこととして行なわれていた自給自足的な農業は、力づくで輸出産品の生産をさせられるようになる。 第二次世界対戦後、このような国々は独立を勝ち得ることとなる。しかし、独立を得ても産業基盤に乏しい状況の下では、農業を本来の姿に立ち戻らせることは不可能であった。産業振興のためには工業化が必要とされた。独立後は国内での対立抗争や近隣諸国との武力紛争がほとんど必然的にといってよいほどに発生した。軍事力強化のためには資金が必要である。工業化や軍備拡張に必要な外貨獲得のためにも、それまでと同様な輸出農産物の生産を続けなければならなかった。また、独立後も国の実権を握るのは地主層等の一部特権階級である。彼らにしても、利益を多く得るためには、国内自給的な作物よりも輸出農産物の方が好ましかった。このようなことからアジアやラテンアメリカ等の発展途上国においては農地改革は進んではいない。農業の体質は植民地時代とそう変わってはいない。
http://www.bbec.sabah.gov.my/japanese/03_conservation/co_050115.html