ソーシャルワーク
出典: Jinkawiki
概要
現在の社会福祉にはいろいろなものがある。たとえば、在宅老人に対するホームヘルプ・サービスや、デイ・サービス、ショートステイ・サービスがある。また、特別養護老人ホームや障害者を持つ人が入所したり、通って利用したりする施設もある。これらの社会福祉サービスを実際に利用者に提供するときに、必要となってくるものがある。それが、いわゆる社会福祉援助技術、ソーシャルワークというものである。ソーシャルワークには、大きくは、直接的に人と接して行う援助と、そうではないものに分かれる。また、直接的に人と接して行う援助のうち、個人を対象に行う援助技術をケースワークと呼び、集団を対象に行う援助技術をグループワークと呼ぶ。介護については、その人の生活面だけをサポートする。という意味合いが強くなっている。介護もまた社会福祉のひとつと言えるであろう。 ソーシャルワークの考え方
今日の社会生活を送る上では、さまざまな問題がある。高齢になったり、障害を抱えたりすることにより社会的な活動ができなくなる場合がある。これらの問題を解決するときの方法のひとつがソーシャルワークです。これらの問題を解決するときに、ソーシャルワークでは、単に個人の側に問題があるとは考えることはしない。個人の中の問題と考えるのは、一般に心理学の立場であるためである。また、社会の仕組みに問題があると捉える考え方も存在している。しかし、ソーシャルワークでは、単に社会の側に問題があるとも考えない。ソーシャルワークでは個人と社会の関係性に注目をするようになっている。つまり、個人の問題と社会の問題は互いに影響をしあっているという考え方をもっているのである。つまり、ソーシャルワークでは、「人と状況の相互関連性」、「状況内存在としての人」という考えのもと社会福祉を行なっているのである。個人の側に焦点を当てた場合の対応法としては、面接を手段としたカウンセリングの技術を用い、さまざまな社会福祉サービスを利用することによって、それまでと同様の生活を続けることができるように、いろいろなサービスを組み合わせていくという方法、介護保険で有名になったケースマネジメントという方法も使う。介護はこの中のひとつの方法でしかない。さらに、現在の福祉サービスでは足りない場合には、活動を通じてよりよい制度やサービスを新たに作ることも重要な働きとしてあるのである。 ソーシャルワークの立場
このように、ソーシャルワークとは、自ら社会生活を行なうのが困難な人に、社会生活を通常に行なえるように、その人の生活も、内面さえもサポートしていくことなのである。一方介護は、必要としている人の内面には入ろうとせず、あくまで生活面のサポートをしていくのに過ぎないものなのである。つまり、介護はソーシャルワークの一手段でしかない。そして、ソーシャルワークこそが今の社会に求められているものなのである。 参考文献 ソーシャルワークとは何か 杉本俊夫訳 晃洋書房 2004 新社会福祉援助技術演習 社会福祉教育法・教材開発研究会 中央法規出版 2001