PISA3
出典: Jinkawiki
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PISA(Programme for International Student Assessment)つまり、「生徒の学習到達度調査」はOECDがINES(国際教育インディケータ事業)の一環として、OECD及び加盟国をはじめ非加盟国からの参加を得て世界的に実施している国際的な学習到達度に関する調査である。
目次 |
調査の目的
PISA調査は、各国の子どもたちが将来生活していく上で必要とされる知識や技能が、義務教育修了段階において、どの程度身に付いているかを測定することを目的としている。
学校の教科で扱われているようなある一定範囲の知識の習得を超えた部分まで評価しようとするものであり、生徒がそれぞれ持っている知識や経験をもとに、自らの将来の生活に関係する課題を積極的に考え、知識や技能を活用する能力があるかをみるものである。
参加国
第1回目の調査参加国(2000年):32カ国(OECD加盟28カ国、非加盟4カ国)
第2回目の調査参加国(2003年):41カ国・地域(OECD加盟30カ国、非加盟11カ国・地域)
第3回目の調査参加国(2006年):57カ国・地域(OECD加盟30カ国、非加盟27カ国・地域)
調査対象
15歳児に関する国際定義にしたがって、日本では、調査対象母集団を「高等学校本科の全日制学科、定時制学科、中等教育学校後期課程、高等専門学校」の1年生、約120万人と定義し、そこから調査する学校(学科)を決め、各学校(学科)から無作為に調査対象者を選定した。調査には、全国の185学科、約6000人が参加した。(2006年調査)
調査のサイクル
「読解力」、「数学的リテラシー」、「科学的リテラシー」の3分野について、3つのサイクルで実施している。3年ごとに調査を実施し、2000年は読解力、2003年は数学的リテラシー、2006年は科学的リテラシー中心の調査を行った。
定義
「科学的リテラシー」
・疑問を認識し、新しい知識を獲得し、科学的な事象を説明し、科学が関連する諸問題について証拠に基づいた結論を導き出すための科学的知識とその活用
・科学の特徴的な諸側面を人間の知識と探究の一形態として理解すること
・科学とテクノロジーか我々の物質的、知的、文化的環境をいかに形作っているかを認識すること
・思慮深い一市民として、科学的な考えを持ち、科学が関連する諸問題に、自ら進んで関わること
「読解力」
読解力とは、自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力である。
「数学的リテラシー」
数学的リテラシーとは、数学が世界で果たす役割を見つけ、理解し、現在及び将来の個人の生活、職業生活、友人や家族や親族との社会生活、建設的で関心を持って思慮深い市民としての生活において、確実な数学的根拠にもとづき判断を行い、数学に携わる能力である。
問題・回答方式
様々な種類の問題から構成されているが、知っている事柄についてあるいは知識の単純な操作によって、いくつかの選択肢から回答を選ぶ選択式問題と、文章・図形・表などについて様々な知識と能力等を組み合わせることによって、文章あるいは語句で解答する記述式問題に分かれている。
日本の結果
≪2000年≫
・「科学的リテラシー」2位
科学的リテラシー得点は、550点で、韓国の552点に次いで平均得点が高い。しかし、日本の得点と韓国の得点とは統計的に有意差がないためトップグループであるといえる。
・「数学的リテラシー」1位
数学的リテラシー得点は、557点と参加国中で最も高い。以下、韓国、ニュージーランド、フィンランド、オーストラリアと続いている。
・「読解力」8位
総合読解力の平均得点は522点で、フィンランドの546点とは統計的に有意差が認められるが、それ以外の上位の国とは有意差がないため読解力の総合平均得点では上位2位グループに位置する。
≪2003年≫
・「科学的リテラシー」2位 平均得点は548点で、フィンランドと共に最も高い。しかし、日本及びフィンランド、香港、韓国の平均得点は統計的に有意差がなく、この4か国が1位グループであるといえる。
・「数学的リテラシー」6位
数学的リテラシー全体の平均得点は534点で、香港、フィンランド、韓国、オランダ、リヒテンシュタインと統計的な有意差がないため、1位グループであるといえる。
・「読解力」15位
わが国の平均得点は498点で、フィンランド(1位)、韓国(2位)、カナダ(3位)、オーストラリア(4位)、リヒテンシュタイン(5位)、ニュージーランド(6位)、アイルランド(7位)、スウェーデン(8位)の8か国より統計的に有意に低いが、オランダ(9位)、香港(10位)、ベルギー(11位)、ノルウェー(12位)、スイス(13位)などの平均得点とは統計的な有意差はない。
≪2006年≫
・「科学的リテラシー」6位
全体の平均得点は531点で6番目に高い。フィンランド(1位)、香港(2位)についで、カナダ(3位)から韓国(10位)までと統計的な有意差がないため上位グループに位置していると言える。
・「数学的リテラシー」10位
平均得点は523点で、台湾、フィンランド、香港、韓国、オランダ、スイス、カナダ、マカオ、リヒテンシュタインに次いで10番目。
・「読解力」15位
全体の平均得点は498点で15位に位置している。
参考
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/index28.htm (文部科学省 PISA2000年調査結果)
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/main_b8.htm (文部科学省 PISA2003年調査結果)
『生きるための知識と技能3 OECD生徒の学習到達度調査(PISA) 2006年度調査国際結果報告書』 編:国立教育政策研究所 出版:ぎょうせい