磨製石器

出典: Jinkawiki

2009年1月28日 (水) 15:52 の版; 最新版を表示
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磨製石器とは研磨によって整えられた石器の総称。

通常の石器は、ある石を他の石や動物の骨を使い剥離させたものであるが、磨製石器はそれを他の石などで研磨することにより形を整える。研磨をしない石器を磨製石器に対し打製石器という。

磨製石器をつくるには、砥石でみがく前に、打製石器と同じ粗割りや、かたく頑丈なたたき石で凸部をコツコツたたきへらす、敲打という技法がつかわれる。これである程度表面の凸凹をとり、後の研磨の工程を短縮できる。最終工程の研磨には荒研ぎから仕上げ研ぎまである。粗粒の大きな砥石で水をかけながらとぎへらし、全体の形をととのえる。

磨製石器には、打製石器の頃からあった石斧・石鏃・石刃の他に、石棒・石皿・磨石・磨製石斧・石錐などが新たに作られた。

磨製石器が使われていた時代を新石器時代であり日本では縄文時代にあたる。


日本では,金属器の使用が始まった弥生時代にも,磨製・打製の石器がともに存在した。とくに磨製石斧は,形態変化が多く,用途による類別があきらかである。弥生時代の石包丁などは用途も稲の穂を刈るものであるとわかる。

しかし、磨製石器は金属器の普及にともないその姿を消していった。

磨製石器とその利点についてだが、磨製石器には石鏃や石斧がある。これらは石器単体で存在するわけでは無く、柄に取り付ける事によって機能を発揮する組み合わせ式の道具と考えられる。金属器が無かった弥生時代以前に木材を加工し柄を作るには大きな労力を必要とした。機能部にあたる石器はこの柄に適合するように作る必要があり、微妙な整形加工が可能な磨製技術が選択されたものと考えられる。また、石鏃についていうならば縄文時代の押圧剥離による石鏃製作は極めて高度な技術を要し、一朝一夕で作れるようになるものではなかったと考えられる。それに比べると磨製石鏃は片理の発達した石材を使用すればさして技術を要さないという点がある。


参考

第一学習社「新編日本史図表」

MSN百科事典:http://jp.encarta.msn.com/encyclopedia_1161531479/content.html


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