フリースクール
出典: Jinkawiki
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フリースクールの意味はきわめて多義的であり、アメリカの授業料無償の公立小学校や、フリースクール協会に加入する人道主義に基づく低所得者のための授業料無償の学校 、イギリスのサマーヒル・スクールのようなデモクラティック・スクール、 英米のオープン・エデュケーションを行っている学校、オルタナティブ教育の理念に基づく学校、日本における不登校の子供が通う非学校的な施設という意味で使われている。
日本のフリースクール
日本では、デモクラティック・スクールをはじめ、フレネ学校、シュタイナー学校、デンマークの生涯学習の基盤となっているフォルケホイスコレなど、ヨーロッパ新教育運動の流れを受け継ぐ学校が一部にはあるが、そのほとんどが不登校の子供の受け皿として、その学習権の保障や安心してすごせる居場所を提供する施設、さらに、通信制高校での学習をサポートするサポート校など、不登校の子供を対象とした、既存の学校とは異なる機関、施設が、フリースクールと総称されている。こうしたフリースクールの規模や活動内容はきわめて多様であり、民家やマンション、事務所ビルの一室を借り、スタッフや子供を合わせても10人に満たないような小さなものから、在籍数が100人を超える大きなものまである。一般の学習塾をフリースクールと称しているものもある。日本ではフリースクールのネットワークとして、NPO法人フリースクール協会があり、その普及に努めている。 内容は、子供の自主性を重んじ、スタッフと子供が対等な立場で民主的に活動内容を決定するものが主流であるが、既存の学校のようなカリキュラムを持ち教師やスタッフといった指導者が主体となって、「規則正しい生活」や学習をさせる施設もある。また、サポート校では、通信制高校のカリキュラムにしたがって「授業」が行われ、制服や時間割、部活動、各種の学校行事などもあり、一般の学校とほとんど変わらない。 ほとんどのフリースクールは、学校教育法1条に定める学校の要件に該当せず、私立学校設立のハードルがきわめて高いこともあって、正規の学校としての認可を受けていない。このため、フリースクールを卒業・修了しても、進学や就職、資格取得に必要な学校の卒業資格は得られない(義務教育の小中学校に関しては、学校長が認定すれば、出席日数に関わらず進級・卒業できる)。しかし、学習指導要領等の規制の枠にとらわれず、既存の学校にはない、自由で独創的な教育を実現することができるため、既存の学校に合わない子供にとって、重要な選択肢となっている。また、1992年から、在籍する学校の校長の裁量によって、フリースクール等の民間施設に通った期間を、学習指導要録上出席扱いすることができるようになった。 フリースクールは様々な理由で不登校になってしまった子どもたちに教育わ受けさせることができる機関である。その対象年齢は小学生、中学生だとされてきたが、現在では高校生、大学生もその対象になっている。