血統主義
出典: Jinkawiki
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血統主義(けっとうしゅぎ)とは、国籍取得において、親のどちらかの国籍が子の国籍となる方式である。 現在日本やドイツ、韓国などで採用されている。対立する概念として出生地主義(親がどこの国の国民であろうと、自国で生まれた子は自国民 アメリカなどで採用)。
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概要
各国は、国家形成の歴史を背景としつつ、人口政策、移民政策、同化政策などの観点から、それぞれの国籍法を制定している。各国の国籍法を比較すると、出生による国籍取得に関して、血統主義と(出)生地主義のいずれを原則とするかによって大きく分けることができる。血統主義とは、旧大陸の諸国で採用されているものであり、親がその国の国民である場合には子もその国の国民とするという原則である。日本も血統主義を採用している。これに対して、生地主義とは、新大陸の諸国で採用されているものであり、その領域内で生まれた子はすべてその国の国民とするという原則である。新大陸諸国(南北アメリカ大陸)は、移民の受入国として国家が形成されていったため、移民らが帰化しない限り2世以下の世代になっても外国国籍を有することになってしまうという結果を招く血統主義ではなく、少なくとも2世以下の世代については生まれながらに自国民となるという生地主義が採用されたのである。ただ、いずれの立法原則も例外を認めている。すなわち、血統主義をとる国でも、親が知れない子は自国領域内で生まれたことによって自国国籍を与え、生地主義をとる国でも、自国民が外国で産んだ子に対しても一定の要件のもとに自国国籍を与えている。ただ、例外的な状況下では、生地主義国の国民の子であって、血統主義国で生まれた子が無国籍になってしまう場合もなくはない。 なお、血統主義をとる国のなかでも、かつては父系優先血統主義が一般的であったが、最近は、父母両系血統主義に法改正される例が多い。日本も1984年(昭和59)の国籍法改正(1985年施行)により、前者から後者へ移行した。父系優先血統主義とは、父が自国民である場合に子を自国民とするものであり、父母両系血統主義とは、父または母のいずれかが自国民であれば、子を自国民とするものである。かつては父が家族の中心であるという観念が強く、また、社会実体としても父を中心とする家族生活が営まれている例が多かった。しかし、家族関係が多様化し、また、男女平等の観念が強くなったため、まずヨーロッパ各国で父系優先から父母両系への国籍法改正が次々と行われ、日本でも、「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」(女性差別撤廃条約、昭和60年条約第7号)の批准に伴い、「締約国は、子の国籍に関し、女子に対して男子と平等の権利を与える」と規定する条約第9条2項の実施として、父母両系血統主義の採用に踏み切り、その結果として生ずる重国籍者の多発に対して、国籍選択制度を導入する等の改正を行った。
父母両系血統主義の国
日本、アイスランド、イスラエル、イタリア、エチオピア、エルサルバドル、オーストリア、オランダ、ガーナ、ギリシャ、スウェーデン、スペイン、スロバキア、タイ、中国、韓国、デンマーク、トルコ、ナイジェリア、ノルウェー、ハンガリー、フィリピン、フィンランド、チェコ、スロヴァキア、ブルガリア、ポーランド、ルーマニア、中華民国(台湾) など
父系優先血統主義の国
アラブ首長国連邦、アルジェリア、イラク、イラン、インドネシア、エジプト、オマーン、クウェート、サウジアラビア、シリア、スーダン、スリランカ、セネガル、マダガスカル、モロッコ、レバノン など
両系血統主義だが、条件付きで生地主義を採用している国
イギリス、オーストラリア、オランダ、ドイツ、フランス、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ など
根拠となる国内の法律
国籍法
第二条 子は、次の場合には、日本国民とする。
一 出生の時に父又は母が日本国民であるとき。
二 出生前に死亡した父が死亡の時に日本国民であつたとき。
三 日本で生まれた場合において、父母がともに知れないとき、又は国籍を有しないとき。