アグリビジネス
出典: Jinkawiki
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アグリビジネス(agribusiness)とは、先進国の資本主義諸国の農業生産の主体は家族労働力を基礎とした経営形態であり、アメリカではファミリーファームなどと言われている。しかし、農産物の加工の分野や、販売までの流通部門、農業生産においても畜産・園芸・プランテーションなどの分野では、アグリビジネス(農業関連業)企業と呼ばれる多国籍企業が強力な支配力を持っているのである。また化学肥料、農薬、農業機械、種子の供給、遺伝子組み換えによる新品種の開発など、農業関連のさまざまな領域で、国境を越えて世界規模で事業展開のする、巨大で独占的なアグリビジネス企業が存在する。なぜこの言葉を調べようと思ったかというと、日本の最大の貿易相手国であるアメリカの大規模農業の形態を知れば、生徒に教えるときに理解も深まり、生徒も興味・関心を持つようになると思ったからである。
このアグリビジネス企業の中で最も注目されるのが、穀物貿易で大きな支配力を持つ「穀物メジャー」と呼ばれる巨大穀物商社の存在である。穀物メジャーは内陸の穀倉地帯から膨大な穀倉を集荷、貯蔵、輸送し、港湾から船積みして輸出するという効率的で近代的な流通システムを確保しているとともに、世界ネットワーク情報網を活用して輸出市場を支配している。大量の穀物を生産者から安く購入・集荷し、日本をはじめとする先進国や穀物輸入国になりつつある発展途上国、および中進国・ロシアなどへ輸出することによって莫大な利益を上げているのである。
では、具体的な巨大穀物商社として「ガーギル社」をみてみよう。この会社は1865年に創設された世界最大の株式非公開社で、アメリカ中西部の穀物商社から出発して次第に事業を拡大し、1970年代以降は、農産物の一次加工分野に進出し、飼料製造、穀物製粉、大豆・トウモロコシの加工、食肉処理・加工などのさまざまな分野で支配的な地位を確立している。そのほかに、肥料・種子などの農業資材部門、鉄鋼、塩、金融や資産運用サービスにも進出している大企業である。ガーギル社は世界72カ国1000以上の地区で100を超える事業を展開する多国籍企業であり、2001年度の売上総額は494億ドル(約6兆円)のものぼっている。
参考文献
星沢 哲也 新編 地理資料 2007 東京法令出版
世界最大の穀物商社力-ギル
http://www.geocities.co.jp/Technopolis-Mars/5614/si4.html
ハンドル名 yuki0811