ピグマリオン効果

出典: Jinkawiki

2009年1月30日 (金) 13:37 の版; 最新版を表示
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ピグマリオン効果とは例えば教師がある学生に対して優秀だという期待を持って教えれば、その学生は他の学生達よりもっと優秀になる確立が高いという理論のことである。 その由来は昔ギリシアのキプロス島に「ピグマリオン」という彫刻が趣味で、美しい女性の像を彫ることを得意とする若い王様がいた。ある時、彼はすばらしい大理石を手に入れたので、さっそく全身全霊を込めて「理想の女性像」を彫り始めた。彼はこの世の中にない完全な美を追求して、毎日毎日、昼も夜も一心に掘り続けた。そして、とうとう彼は彼が求めていた完璧な女性像を完成させたのだった。その像は完璧な美を備え、しかもあたかも本当に生きているようであった。そしてピグマリオンはその女性像のあまりの美しさに恋をしてしまった。彼は女性像がまるで生きているかのに扱った。花は摘んではそれを与え、美しいネックスをかけてやり、夜になると自分のベッドに横たえて彼女を優しく愛撫した。彼はそれと同時に来る日も来る日も彼女が人間に生まれ変わることを信じ続けた。そしてとうとうある日のこと、このピグマリオンの願いが愛と美の女神であるアフロディテービーナスーの知るところとなった。彼の真剣な愛を知ったアフロディアは大理石の女神に命を与えてやることにした。アフロディナは女神像に命を吹き込んだ。すると、女神像の頬が赤らんだ。ピグマリオンはそっとキスをすると、その唇はかすかに震えた。ピグマリオンは歓喜し、彼女への永遠の愛をアフロディナに誓った。このギリシア神話「ピグマリオン」からなぞられて、ピグマリオン効果と名づけられた。


このピグマリオン効果において、心理学者であるR・ローゼンサールがある実験を試みた。その実験方法とはまず新学期の始めに小学校の各学年3学級ずつで、潜在的な知能能力を予測するテストを実施する(しかし、実際はこのテストでそんなことは分からない。あくまでそういう名目になっているだけである。)そしてクラスの20%の生徒は(ランダムにピックアップ、その各学級4~5人程度)を「今後1年間で成績伸びが予測されるであろう生徒達である」と新しい担任教師に名前を告げておく。約8カ月後の年度の終わりに同じ種類の知能テストを実施したところ、実験群の生徒(名前を告げられた生徒)と統制群の生徒(名前を告げられていない生徒)を比較すると、実験群の生徒(名前を告げられた生徒)に成績の向上が見られ、また教師からの性格・行動評定も好意的であるという傾向が見られた。しかも、その傾向は低学年の生徒や女子の方が顕著であるという結果だった。では、なぜこのような現象が起こったのだろうか。それを確かめるためにまた違う方法で行った。 対象としては第1学年の4学級の教師と生徒達である。まず、教師に自分の担任するクラスの生徒を主観的判断でで、高い学力を上げると思われる順に順位づけするよう求める。そして各学級から、順位づけされた上位の男女3名ずつを高期待群、同じく下位の男女3名ずつを低期待群としてピックアップする。そして、これらの生徒と担任教師の授業中の行動観察を行う。その分析によると、高期待群の生徒は低期待群の生徒と比べて公的な回答機会や挙手の回数が比較的多い。そしてさらに正しい解答が多く、誤った回答が少ない。また、他の人達から賞賛を得ることが多く、叱責されることが少ないなどの特徴が認められた。


その他にも、いろいろな形でピグマリオン効果は考えられる。それは「親ばかに見るピグマリオン効果」である。普通「親ばか」という言葉を聞くと、子供の面倒を見すぎたり甘やかしたりして自立できないようにしてしまう駄目な親を思い浮かべてしまいがちである。事実、広辞苑で「親ばか」の項目を見てみると、「親が子に対する愛情に溺れ、はた目には愚かなことをして、自分では気づかないこと」と説明されている。確かに「親ばか」という言葉にはただ子供を甘えさせ、わがままにさせてしまうというニュアンスが含まれている。しかし、子供の能力を信じ、期待をもち続けるためには根底に親ばかの精神が必要である。例えば、子供が学校から悪い成績をとってきたとする。そういう時、親ばか精神の強い親なら、自分の子供が不勉強で学力がないのを棚に上げてこういう風に考える。「こんな悪い点を、うちの子が取るはずがない。きっと教師の教え方が下手なのだろうとか、あるいは問題が難しすぎるのかもしれない。うちの子は今は力が発揮できなくても素質は良いはずだから、良い先生に巡り合えれば、やる気が出てきっと成績が伸びるはずだ」といった調子である。親ばかな親は例え子供の出来が悪くても、能力がないとは思わないのである。教師の教え方が悪い、習ってないところがテストに出た、試験の時体調が優れなくて、実力が出せなかった、などといろいろな理由をつけて、子供の成績の悪さを外的要因のせいにするのである。例え口では「うちの子は出来が悪くて困る」と周囲に愚痴をこぼすことはあっても、心の底では子供の素質や能力を端から疑ったりしないのが、親ばかな親である。 このように親ばかというと聞こえはよくはないが、「うちの子は今は駄目でも、条件さえ整えば、必ず成績が伸びるはずだ」というように考えるのは、ピグマリオン効果そのものである。


参考URL

http://www8.plala.or.jp/psychology/topic/pygmalion.htm

http://www4.osk.3web.ne.jp/~love/needs/human2.htm

http://www.sun-inet.or.jp/~qze13054/menu%20799-11.html

http://www6.ocn.ne.jp/~tetugaku/page29.htm

http://health.goo.ne.jp/mental/yougo/014.html


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