アサーション権
出典: Jinkawiki
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<アサーション権とは>
人は生まれながらにして基本的な人権としてアサーション権を持っている。
アサーション権とは、私たちは、誰からも尊重され、大切にしてもらえる権利のことで、人間の尊厳は誰を侵すことも、誰からも侵されるものではないことを意味している。つまり人権の基本のことを指す。
この人権はアメリカにおける人種差別反対運動や女性解放運動を支える基本的人権として認められたものである。
**基本的なアサーション権**
1、 私たちは誰からも尊重され、大切にしてもらう権利がある
…これはアサーションの根底にある相互信頼の思想を反映したもっとも基本的な人権。各自が持っている考えや意見、欲望や希望などは誰しもが持っていいもの。また。それらの意見や欲求などを表現することを認められているということも意味する。そして、他の人の意見や欲求なども同様に尊重しなければならないということ。
誰でも自分の希望を述べ、依頼してもよい。誰でも自分の意見を持ちそれを表現することができる。
2、 私たちは誰もが、他人の期待に応えるかどうかなど、自分の行動を決め、それを表現し、その結果について責任を持つ権利がある
…これは、自分自身について最終的に判断し、自分で責任を取るということ。他の人にどのように言われようと、他人に合わせる必要はないし、変えられるものではない。また同時に、他人を変えることはできないということでもある。
自分の決めたことに対しては、できる限り責任を取れればよい。自分の決めたことは、他人の責任にしてはならない。多くのことをどうするか決める権利は自分にあるということ。
3、 私たちは誰でも過ちをおかし、それに責任を持つ権利がある
…この権利は「人間の権利」とも言われ、大変重要な権利である。人は神様ではないのだから完璧ではありえない。そのため、失敗はつきものだ。そして、失敗したら自分のできる限りで責任を果たせばよいのだ。人は完璧ではないのだから、とれる責任も限られてくる。
もし、失敗をしてはならない、失敗する人間は価値のないのだ、という考えにとらわれるならば、自分に自信がなくなり、自己卑下になってしまう。また成功ばかりを気にしていると、最高の保証がない限り何もできなくなってしまう。これは不可能だ。人は完璧ではないから失敗をする。
しかし、その失敗を生かして工夫をし、努力し、そして成功したときに、喜びや達成感を経験する。それが成長につながっていくのだ。
4、 私たちは、支払いに見合ったものを得る権利がある
…これは、たとえば買い物をしたり、サービスを受けたりするときに、しはらいに見合った要求をしてもいいという意味。これは、一見すると当たり前のようだが、実際に実行している人は少ない。たとえば、洋服屋で買い物をしたとき、品物が不良品であった場合、それを取り換えてほしいと言うのは当然である。しかし、実際には何も言わず、泣き寝入りしてしまう場合が多いのかもしれない。
5、 私たちは、自己主張しない権利もある
…これは、アサーションとは関係ないようにも思われるが、実際には大変重要な人権だ。「アサーションしてよい」と「アサーションしなければならない」とは意味が違ってきてしまう。時と場合、それに相手によって、何も言わない方が良い場合がある。そのようなときは無理に話をしなくてもいいのだ。むしろ黙っていた方が得策の場合もある。つまり、自分が「言わない」と決めたのだから、その結果についても責任を持ち、受け入れるということ。
自分のためにならないことであれば、自己主張しない選択肢もある。
**その他のアサーション権**
1、 一人になる権利
…何かに誘われたとき、いつもそれに付き合わなくてもいいということを保証するもの。
2、 成功する権利
…自分が人より優れていたり、上手にできたとしても、それはそれでかまわないという意味。
3、 聴いてもらい、まじめに受け取ってもらうことを要求する権利
…自分の話などを大切に聴いてもらいたいときに、それを相手に要求することができる権利。
4、 前に言ったことを取り消す権利
…そのときはこれが伝えたいことだと思って話したとしても、あとで考えなおしたり、熟慮したりすることで違ったことを言いたくなってくるということも、これもまた自然に起こりうることであるという意味。
参考 アサーショントレーニング -さわやかな<自己表現>のために