中国の砂漠化

出典: Jinkawiki

2009年5月24日 (日) 14:05 の版; 最新版を表示
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(1)背景

中国の砂漠化となっている地域は主として乾燥、半乾燥および乾燥半湿潤地域に分布し、中国西北部の大部分、華北北部および東北西部がこれに含まれている。この他華北東部および南方の一部地域にも分散して分布し、範囲は計18の省、直轄市、自治区に及ぶ。砂漠化、土地荒廃の害は本当に深刻で、砂漠化、荒廃地の面積は既に国土の総面積の27.3%を占めている。中国の砂漠化・土地荒廃によって利用可能な土地面積が激減し、一部地区では生存条件さえ失われている。また、土地の生物生産力が急激に低下し、生態系が退化し、生物多様性が減少する。そして当該地区の経済、社会の持続可能な発展を著しく制約し住民生活の貧困を招く。

(2)砂漠化の現状と要因

中国における砂漠化・土地荒廃の形成要因には、主として気候の変異と人為的活動等の要因があり、そのうち人為的要因が主要な原因である。人口増加や地域経済の発展の圧力に加え、生態保護という観念の希薄さにより、過放牧、過度の伐採、森林(草原)破壊による開墾と急斜面の開墾等が深刻な植被の破壊を招き、砂漠化・土地荒廃を一層激化させている。

(3)国家行動計画の位置づけ

中国国連砂漠化対処条約実施行動計画 …中国が同条約調印後に制定した砂漠化・土地荒廃防止の行動計画であり、適切かつ効果的に「条約」を執行するため、準則と措置を提示するもの。 戦略目標は、「予防」を主とし、予防、整備、利用を結合させる方針を徹底させ、全面的出撃、重点的突破の戦術を採用し、可能な限り早急に砂漠化・土地荒廃拡大の趨勢を抑制することである。

具体的には、2010年までに、砂漠化・土地荒廃地区の地域的生態環境を大幅に改善させ、住民の生活を質の面で大きく向上させる。当面は、風食による砂漠化・荒廃地600万haを整備し、水食による砂漠化・荒廃地480万haを整備(そのうち人工造林60万ha)し、退化した牧草地1,750万haを整備、改良し、さらに土壌塩性化した土地500万haを整備し、自然保護区の総面積が6,868万haに達するようにする。2050年までに、難度の極めて高いものを除く砂漠化・荒廃地を基本的に整備し、自然保護区の総面積は9,135万haに達し、砂漠化・土地荒廃地区の生態環境と経済発展が良性のサイクルに乗るようにする。


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