イランコントラ事件
出典: Jinkawiki
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アメリカのレーガン政権が引き起こした政治スキャンダル。
1986年11月25日,米国のレーガン大統領とミース司法長官が,イランに武器を売却しておりその収益をニカラグアの右派反政府組織コントラへの支援に転用していたことを認めた。
イランへの武器売却は,レバノンでシーア派武装集団ヒズボラに捕えられていた米国人の人質を解放させるため,ヒズボラに影響力を持つイランに便宜を供与しようとしたもの。当時,イランはイラクと戦争中で,米国はテヘランでの大使館占拠事件を受けてイランへの武器輸出を公式には禁止していた。また,ニカラグアは左翼のサンディニスタ民族解放戦線が政権を握っており,米国はこれを敵視していた。
こうした背景から,レーガン政権は議会の決定に背いて情報機関を通じて秘密裏に対外干渉を実行していた。これが明るみに出て,米国内外で大きなスキャンダルとなった。
イランコントラ事件の主要人物
ジョージ・ハーバード・ウォーカー・ブッシュ副大統領(当時)/元大統領・現大統領の父親(現在)
全ての秘密作戦・指揮の首魁。また政府の麻薬対策キャンペーンのヘッドとして麻薬の流入に対し、責任を負う立場だった。
ジェームズ・ベーカー3世
財務長官・大統領補佐官/ISGグループ共同代表 財務長官として、議会で禁止されていたにもかかわらず、大統領令に基づき、コントラ支援の予算などを承認。
ロバート・ゲイツ
CIA副長官/元ISGグループメンバー・新国防長官 任期途中で病死したケーシー長官の元で、秘密作戦に関与。この疑惑が元でレーガン政権では長官に昇格できなかった。また国防長官の指名も一時危うかった。ソビエトの脅威を必要以上に誇張した報告書を作成するなど、評判が良くなかった。
エドウィン・ミース
大統領補佐官・司法長官/ISGメンバー 司法長官として、イランコントラ事件の捜査を指導。ウォルシュ最高裁判事を独立検察官に指名。ただし政権中枢への責任回避に尽力。
リー・ハミルトン
民主党下院議員/ISGグループ共同代表 下院イラン・コントラゲート調査委員会(イランとの秘密武器取引調査特別委員会)委員長として報告書を作成。型通りの非難にとどめる。
リチャード・ブルース・チェイニー
共和党下院議員/副大統領 下院イラン・コントラゲート調査委員会(イランとの秘密武器取引調査特別委員会)副委員長として報告書を作成。政権への責任回避に奔走。
ジョン・フォーブス・ケリー
民主党上院議員 テロリズム,麻薬,国際作戦に関する上院小委員会(ケリー委員会)委員長として報告書を発表。麻薬取引を資金捻出に利用したことを批判するも、政権幹部を名指しせず。最近も失言で共和党をアシストしようとした、ボーンズメン。
ジョン・ロバーツ・ボルトン3世
司法長官補佐官/Outgoing国連大使 失脚組。ミース長官の元で、イランコントラ事件の矮小化に奔走。次期国連大使の承認を得られる見通しが立たず、辞意を表明。
リチャード・リー・アーミテージ
国防次官補/前国務副長官 失脚組。ペンタゴンが調達した武器をCIAに引き渡したことに対し責任を負う立場であった(ワインバーガー国防長官は罪に問われた)。ただしコントラへの直接手配は却下した。プレイムゲートの真犯人として批判を浴びる。
エリオット・エイブラムス
国務省スタッフ/国家安全保障会議中東・アフリカ担当 コントラ援助組織である、ニカラグア人道援助事務所を運営。最近もNSCメンバーとして、レバノン紛争の停戦に奔走するライス国務長官に同行、停戦に向けた動きを妨害。また中間選挙でほとんどとんずらしたネオコンの中で、唯一残ったタマとして期待されている。イランコントラ事件では、情報秘匿で有罪判決を受けるも、恩赦で解放された。
ブレント・スコウクロフト
タワー委員会メンバー/元大統領補佐官 彼を含む3人のメンバー(残りのジョン・タワー共和党上院議員及びジョン・ハインツ民主党上院議員:ジョン・ケリー上院議員の妻テレサ・ハインツ氏の前の夫は、共に1991年に飛行機事故で死亡)によって作成されたタワーレポートでは、疑惑の中心人物ブッシュ副大統領を賞賛する表現が加えられ、明らかに歪曲されていた。最近はレバノン紛争に絡みイスラエルを非難し、セットバックの流れの嚆矢となる。
朴普煕
ワシントンタイムズ編集長・CAUSA管理人/元懲役囚 統一教会教祖の文鮮明の右腕である朴は、ワシントンタイムズでコントラを援助するレーガン政権を公然と支持。また南米の反共右翼独裁者を糾合した同盟組織(CAUSA)を結成、そこを通じて、武器支援・資金援助などをコントラに対して行った。朴はコリアゲート事件でも朴東宣とともにかかわったKCIAの工作員でもあった。2004年に韓国で脱税で有罪判決を受け、収監されたが、2006年11月に釈放された。
文鮮明
統一教会教祖 朴のワシントンタイムズやCAUSAを利用してニカラグア左派政権打倒を図る。
ダニエル・オルテガ
ニカラグア大統領/ニカラグア次期大統領 1984年から1990年までニカラグアの左派政権を率いる。コントラと対決。2006年11月、ニカラグア次期大統領に当選。市民活動家などと日本では報じられていたような気がするが、ムーニーである安倍政権下では無理からぬことだ。
ハイメ・モラレス
コントラ指導者/ニカラグア次期副大統領 コントラを率い、オルテガ政権と対峙した旧敵。現在は協力して政権を奪取。
- ニカラグア・・・・中央アメリカの中央にある共和国。中央アメリカでは最も大きい国。住民の多くは白人と先住民の混血。火山活動が活発で地震も多い。高地は温暖だが、沿岸地域は高温多湿の熱帯性気候。
- ヒズボラ・・・・アラビア語で「ヒズブ・アラー」、すなわち「神の党」という意味。ベカー高原北部のバールベック周辺に拠点を構えつつ、この地域をイラン方式によるイスラム運動の中枢地帯とした。そして彼らはレバノン各地の村落に訓練施設を設け、兵員及びテロ実行班の養成を図った。
- サンディニスタ民族解放戦線・・・・ニカラグアのソモサ独裁政権を打倒するために、1961年に結成された組織。その名称は、かつてのニカラグアの英雄であったサンディーノの名前にちなんでいた。略称はFSLN。
参考文献
http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/wp/2007/11/24/%E6%98%8E%E6%97%A5%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%AE%E6%97%A5%EF%BC%9A11%E6%9C%8825%E6%97%A5/
http://inri.client.jp/hexagon/floorA1F/a1f1707.html
http://members.ytv.home.ne.jp/yk75.corkscrew/1946b.html
http://mrta1975.cocolog-nifty.com/thethe/2006/12/20_215d.html