バベルの塔
出典: Jinkawiki
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バベルの塔 概要
バベルの塔とは聖書に記されている伝説のひとつでバビロニア帝国にノアの子孫のニムロデが建てようとしていた塔である。旧約聖書の創世記、第11章にバベルの塔のことが記されている。この内容を説明すると全地が一つの言語、一式の言葉だった頃にバビロニアの人々が「さぁ、我々のために都市を、そして塔を建て、その頂を天に届かせよう。そして、大いに我々の名を揚げて、地の全面に散らされることのないようにしよう。」ということを言った。このように神への崇拝の為ではなく建築者たちの名を上げるために塔を建設したのである。そしてそれを見た神が怒り、人々の言語を混乱させ人々が互いの言葉を理解できないようにさせてバベルの塔の建設を途中で終わらせた。これによってその町の名は「混乱させる」という意味の「バーラル」という動詞からとり、バベルと呼ばれるようになったのである。
実存したバベルの塔
このバベルの塔は実際に存在したとされており、古代メソポタミアの中心都市であったバビロン(アッカド語で「神の門」の意味)にあったと言われており、その基盤の跡が現在も残っているそうだ。バベルの塔は、古代メソポタミアに多くみられたジッグラートという階段状の建造物だとも言われる。チグリス・ユーフラテス川周辺に22のジッグラート遺構が発見されており、高さ90m、7階建てで最上階には神殿があったそうだ。そして各階が曜日の始まりといわれていて、1階が土星、2階が木星、3階が火星、4階が太陽、5階が金星、6階が水星、7階が月である。また塔はレンガで作られていたそうだ。
題材の一つ バベルの塔
バベルの塔は西洋美術上の題材の一つでもある。バベルの塔を題材として絵画を描いた画家では、以下の2人が有名である。 ・ピーテル・ブリューゲル ・ギュスターヴ・ドレ
またバベルの塔は、映画・ドラマ・アニメ・漫画・小説の分野においても広く題材になっているのが見受けられる。
<参考文献>
・『西洋絵画の主題物語 Ⅰ聖書編』 諸川春樹 著 (美術出版社)
・『西洋美術の主題と物語』 三輪福松 著 (朝日選書)