社会教育
出典: Jinkawiki
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社会教育(しゃかいきょういく)とは社会を場として行われる、意図的な教育的営みの総称である。ここでの社会とは抽象的なこと、社会一般と考えるのではなく、実際には教育委員会や社会教育施設といった具体的な担い手・機関が行っているということになる。
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定義
社会教育法第2条によると、「社会教育」とは、学校教育法(昭和22年法律第26号)に基づき、学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動(体育及びレクリエーション活動を含む。)をいう、と規定されている。
特色
社会教育は社会の全てが多様であるように、その内容や方法は実に多様である。社会教育では基本的に生活の中から触発された学習関心に基づき、自らの発意で学習が始められ、自主的に続行される。また、ある時は学ぶ側であっても、得意な分野については自ら指導する側に立つというように、指導者が必ずしも固定されない。このように、社会教育には学校教育や家庭教育と比べ、自発性・自主性・生活性・多様性・相互教育性といった特色がある。
形態
社会教育の形態は多岐にわたり、サークルや愛好会のような団体形態をとるもの、料理教室や英語講座のような学級・講座形態をとるもの、展覧会や講演会のような集会形態をとるもの、ボランティア活動のような地域活動形態をとるもの、キャンプや合宿のような共同生活形態をとるもの、通信教育のような個人学習形態をとるものなどが存在する。
専門職員
社会教育法第9条の2により、都道府県及び市町村の教育委員会の事務局に社会教育主事を置くこととしている。また、同様に社会教育主事補を置くことができる。社会教育主事は社会教育を行う者に専門的技術的な助言と指導を与える(但し、命令及び監督をしてはならない)。公的社会教育の分野において、図書館の司書、博物館の学芸員などとともに、社会教育における専門職員として第一線に位置付けられている。また、社会教育主事補は社会教育主事の職務を助けるとされている。
社会教育施設
社会教育施設は、人々の社会教育活動を推進する目的で設置された教育機関であり、社会教育活動の内容や方法が多様であることに対応し、多種にわたっている。施設の利用範囲も近隣住区を中心とするものから、より広範的なものまで様々である。代表的な施設の目的は次の通り。
公民館
市町村その他一定区域内の住民のために、実際生活に即する教育、学術および文化に関する各種の事業を行い、もって住民の教養の向上、健康の増進、情操の純化を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与することを目的とする(社会教育法第20条)。
図書館
図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする(図書館法第2条)。
博物館
歴史、芸術、民俗、産業、自然科学等に関する資料を収集し、保管(育成を含む。)し、展示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資するために必要な事業を行い、あわせてこれらの資料に関する調査研究をすることを目的とする(博物館法第2条)。
青少年交流の家(青年の家)
青年を自然に親しませ、団体宿泊訓練を通じて、規律、協同、友愛、奉仕の精神を涵養し、心身共に健全な青年の育成を図ることを目的とする。
少年自然の家
少年を自然に親しませ、集団宿泊訓練を通じて、規律、協同、友愛、奉仕の精神を涵養し、心身共に健全な少年の育成を図ることを目的とする。
視聴覚センター
映像、音声、教育機器等を総合化して効果的な学習情報を学校教育・社会教育の場に供するため、教材の製作、収集、提供、機材の展示、補修、研修の企画・実施等視聴覚教育の振興に寄与することを目的とする。
女性教育施設
女性教育の振興を図るため、女性教育指導者や一般女性等に、女性教育に関する各種の研修、交流、情報提供等を行い、男女共同参画社会の形成の促進に資することを目的としている。
参考文献
新編 社会教育委員必携 (財)全日本社会教育連合会
社会教育・生涯学習 山崎雪子 市井社
学ばないこと・学ぶこと 鈴木眞理 学問社
juke