麻薬
出典: Jinkawiki
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麻薬とは
習慣性及び耽溺性があり、連用することによって慢性中毒を起こし、禁断症状を現す一連の薬物の総称で、麻薬取締法で指定された薬物および植物をいう。習慣性とは、薬物を連用した際にその薬物に対する欲求をおこすことをいい、精神的な依存性を示す。耽溺性とは、薬物の連用によってその薬物に対する欲求が強くなり、投与を中止すれば身体的・精神的な混乱を生ずることをいう。、麻薬は従来narcotic drugとよばれ、単にnarcoticといえば麻酔薬のことであったが、現在では国際的に麻薬をさすようになっている。
麻薬の種類
麻薬には天然麻薬と合成麻薬とがある。天然麻薬としては、アヘンおよびアヘンより抽出されたモルヒネやコデインなどのアヘンアルカロイド、モルヒネの誘導体オキシメテバノール、コカ葉から抽出されたコカインがある。合成麻薬には、塩酸ペチジンやクエン酸フェンタニールがある。コデインおよびジヒドロコデイン、オキシメテバノールは鎮咳剤として用いられ、アヘンの製剤は鎮痛・鎮静剤として、またアヘンアルカロイド、塩酸モルヒネ、塩酸ペチジン、フェンタニール、ドロモランは鎮痛および麻酔補助剤として用いられる。塩酸エチルモルヒネ(オイヒニン)は鎮咳・鎮痛および眼局所血管の拡張をもたらすことから点眼薬として用いられる。塩酸コカインは局所麻酔剤として点眼用に、またブロンプトン混液に塩酸モルヒネと配合して処方される。
麻薬による症状
種類により症状は様々であるが、コカイン、ヘロイン、覚醒剤などの薬物では薬物依存症に陥りやすく、また依存症状が深刻になりやすい。また、コカインや覚醒剤では長期の薬物使用による幻覚状態や譫妄・錯乱状態に陥り、暴力・殺人などの犯罪を引き起こすこともある。あるいは薬物を購入するための資金を得るために、強盗などの犯罪の常習者になることもある。依存症に陥ったり、犯罪を犯すこと、逮捕されることによって、精神的にも社会的にもダメージを受け、人間関係が破壊されることで、自殺までに至る事例は少なくない。
大麻について
大麻は日本では大麻取締法による規制を受ける麻薬の一種に分類されている。マリファナ、ガンジャ、葉っぱなどと呼ばれている。違法とされる現在でも、無免許栽培や違法販売、外国からの密輸入は途絶えておらず、機材があれば室内での栽培が可能になった事により警察の取り締まりにも限界が出てきた。しかし日本とは違い、オランダではドラッグをソフトドラッグとハードドラッグに分類し、大麻をソフトドラッグと定義して、ほぼ合法として扱い、許可を受けた店舗で合法的に販売している。これによって犯罪組織の収入源を奪い、あらゆるドラッグを扱う密売人との接触機会を無くすことで、害が深刻なハードドラッグ類の蔓延を抑止する政策を取っており、実際にヘロイン使用者が減少し、大麻使用者も増加していないなど、一定の効果をあげている。
参考文献
森田 昭之助 『麻薬の恐怖 - その歴史・各国の現状から実例まで』
松本 俊彦『薬物依存の理解と援助-「故意に自分の健康を害する」症候群』