グルジア

出典: Jinkawiki

2009年8月9日 (日) 04:31 の版; 最新版を表示
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目次

グルジア共和国

北にロシア連邦、南にアルメニア、アゼルバイジャン、西にトルコと黒海に隣接する共和制国家。 1995年以来、英語名はGeorgia (/ˈdʒɔrdʒə/)、日本語ではグルジアと表記される。独立直前の1990年から1995年までは「グルジア共和国」を正式な国名としていた。

歴史

グルジアは西アジアの北端にあることから古い歴史があり、en:Homo georgicusが発掘されたことからユーラシアの人類拡散に役割を担ったと言われている。 グルジア史は、大まかに分けると、ローマ時代以前は、主に西グルジアにあるコルキス王国(Egrisi王国)が栄えていた。ローマ支配紀頃から東グルジアにカルトリ王国(イベリア王国とも言われた)が勃興し、しばらくカルトリがグルジア史の主役となる。

ロシア革命後の1918年5月26日にロシアから独立を宣言するが、赤軍に首都を制圧され崩壊した。ザカフカース・ソビエト連邦社会主義共和国の構成国となり、ソビエト連邦に加盟した。1936年には、ソ連邦構成共和国(グルジア・ソビエト社会主義共和国)に昇格する。冷戦下に耐えられるソ連を目指すため、民族問題が取り上げられることはなかった。またスターリンの故郷という側面もあり、かつては共産党員の割合が最も高かった。

1990年11月、グルジア・ソビエト社会主義共和国はグルジア共和国に改名され、1991年4月9日に独立宣言を行い、5月にはズヴィアド・ガムサフルディアが大統領に選出された。これは同年末のソ連邦の解体により実効性を持つに至った。独立後も多くの閣僚はソ連旧共産党員であったことや強権的な統治が行われたために、政局不安は改善されず治安も悪化し内戦状態に至った。アブハジアやオセチアでは分離独立運動が起きている。ガムサフルディアは1992年1月にクーデターにより追放され、1992年から2003年まで、エドゥアルド・シェワルナゼが最高権力者であった。

政治

グルジアは共和制で、国家元首は大統領である。1995年12月8日から2004年2月17日までの間、首相の規定は無く大統領が政府を組織していた。ただし、首相に相当するものとして国務大臣が設置されていた。大統領は首相その他の大臣の任命・指名に関して議会の同意を得る必要がある。

一院制で、任期4年(定数 235名)の議会がある。その内、150議席が比例代表制で、85議席が小選挙区制である。

州知事と大都市の市長は、大統領による任命制である。

ロシアとの対立

ソ連崩壊以降、グルジアは一貫して隣国ロシアと距離を置き、欧米との関係強化を打ち出してきた。この路線は2004年に成立したサアカシュヴィリ政権下で一層に高まり、軍事的には2008年のNATOとEUへの加盟推進、ロシア語からグルジア語への移行推進、ソ連時代のみならずロシア帝国時代にまで遡っての「抗露運動の歴史」を教える記念館の建設、同じ路線をとるウクライナ、モルドヴァ、バルト三国との連携など、露骨な反露路線・民族主義路線を歩んで来ている。また対露強硬派で知られるアメリカの新保守主義者との協力も深めているとされる。またサアカシュヴィリ政権は、ロシア軍に対抗するべくロシア製兵器から、グルジア軍のNATO側兵器による近代化やアメリカ軍などとの共同軍事訓練を行うなど大幅な軍拡を進めていたが、軍事評論家の江畑謙介は予算に無理のある計画だと評している。

一方、ロシアにとってグルジアはカスピ海産原油パイプラインの存在等、中央アジアの原油を確保する上で密接な関わりがあり、南の玄関口である黒海へ連なる要衝に位置する重要な国家と位置づけている。またチェチェンとの対立を抱えるロシアにとって、チェチェンの周辺国の一角を成すグルジアを手を結む事は、ロシア南部における安全保障の観点からも非常に有効と見ている。しかしグルジアの反ロシア路線は当然ながら両国間の緊張関係を生む事になり、両国関係は急速に悪化している。

昨今の原油価格高騰や同じ脱ロシア、親欧米路線推進を掲げるウクライナ等近隣諸国の動向、さらには欧米の対ロシア政策の思惑も絡みグルジアとロシアとの緊張は当面続くものと思われる。

南オセチア戦争

2008年8月7日、グルジア政府は南オセチア自治政府に対して自治権を剥奪すると共に軍部隊を侵攻させた。しかし南オセチア側に立って参戦したロシア軍の前に、大軍拡を進めていたグルジア軍は一方的な敗北を喫して敗退し、8月15日に停戦が決定した。ロシア政府は戦いに従軍した兵士の内、5名に英雄勲章を授与した。

停戦後、ロシアはグルジア国内に駐屯しつつ、議会でアブハジアと南オセチアの独立を承認する決議案を採択、メドベージェフ大統領がこれを正式に了承した。グルジア側はこれに抗議する形で2008年8月28日、議会にてロシアとの外交関係を断絶するよう求める決議を全会一致で採択した。8月29日、バシャゼ外務次官はロシアのアブハジア自治共和国と南オセチア自治州の独立承認に対しロシアとの外交関係を断絶すると発表した。

参考資料

ウィキペディア


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