アメリカの大学入試制度

出典: Jinkawiki

アメリカの4年制大学における入試選抜には特色がある。

特色①

私立大学では一般に定員制を採用しているのに対して、州立大学には定員がないことが多い。ハイスクールの成績をA・B・C・Dの段階に分けて、州立の場合はそれぞれの大学が最低の基準を定め、資格のある者のうちから州内の居住者を優先して入学許可を行っている。


特色②

公・私立を問わず、大学の入学に関する事務は、大学常置の独立した機関である「入学選抜事務局(admission director)」で行われる。この事務局にはadmission director以下、専門の大学行政官や事務職員がいて、志願者はすべての書類をここへ送り、選考と入学者の決定はこのオフィスで行われる。大学入学の選抜に関して、多くの大学ではadmission directorによる委員会が主となって行い、それに入学規則を決めるfaculty memberを入れて決定するが、その他の学部の教授はいっさいこの仕事に携わらないことになっている。


特色③

大学入学のための最も重要な選考基準は、一定の必修コースの履修と、学業成績の平均点とクラス内の席次であるが、適性検査SATや学力検査ACTの標準テストが社会の支持を受けて、ほとんどの大学の入学選択に用いられている。


特色④

 原則としてハイスクールの卒業証書がなければ大学入学は許可されないのが普通であるが、アメリカの大学には「早期入学」と「早期決定計画」というものがある。

 「早期入学」はハイスクールのジュニアクラスの生徒でも、とくに優秀な成績をおさめ、優れた学力と能力のある生徒は、ハイスクールの卒業を待たずに、ジュニアクラスを修了した後直ちに大学に入学させる制度である。4年生のハイスクールでは3年、3年生のハイスクールでは2年のクラス修了である。

 「早期決定計画」も成績の優れた学生で、その大学のみを志願している志願者を対象にして行われるので、これは3年になるとすぐに10月1日までに出願し、その年の12月末までに次年度の入学者を決定している。


 アメリカの学校制度はすべての者に広く高等教育(大学レベル)の機会を与えるべきであるという理念から、中等教育の段階で入試を行わず、すべてのハイスクール卒業生は、望むならばその能力に応じて、なんらかの形の中等後教育としての高等教育に近づけるという開放的な制度になっている。


参考文献:村田鈴子「アメリカの教育」信山社


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