オランダのドラッグ政策

出典: Jinkawiki

 オランダは世界一の「自由な国」として知られ、また「寛容な国」とも知られている。ドラッグに関しても、先進国で唯一ソフトドラッグを合法化している国なのである。 オランダは薬物をソフトドラッグ、ハードドラックに明確に区別し、1976年のアヘン法改正により、大麻などのソフトドラックを非犯罪化し、それ以外のヘロインやコカインといったようなハードドラッグを厳しく取り締まることにした。


 オランダのドラッグ政策の基本的姿勢

①個人が使用することと密売・売買を罰則においても明確に分けて対応する。           

②医学的に有害性が確実に証明されていないソフトドラッグと、多用すれば確実に心身に重大なダメージを受けるハードドラッグを分けて対応する。

③ドラッグの受容を減少させるために各種の社会政策の実施を促進すると共に、ドラッグが使用者と周囲に与えている「害悪」を少なくすることを重視する。

(ドラッグを公的機関の管理下においてコントロールする等)

 具体的政策

・一定のルールのもとで、マリファナなどのソフトドラッグの販売・使用をコーヒーショップで認めて いる。

・特定の場所や巡回バスで、ハードドラッグであるヘロインの代用品であるマザトンや消毒剤の注射器 と針を無料配布している。

・ストリート・ワーカーと呼ばれる地区巡回員がきめ細かくドラッグ・ユーザーの状況を把握して指 導・相談に当たる


 オランダでは30グラム以下のソフトドラッグの販売・生産・所持は原則として認められている。また、使用者が犯罪組織から「法外な値段での粗悪品」を買わされることを防ぐために、コーヒーショップの呼ばれる一定の条件を厳守する店での販売・使用が許可されている。このコーヒーショップには様々な条件があり、医学的には有害性が実証されていないソフトドラッグではあるが、野放しにするのではなく、市や警察の管理下に置こうとしているのである。


<参考文献> 平沢一郎 『麻薬・安楽死の最前線 挑戦するオランダ』 東京書籍 1996        


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