グローバリゼーション5

出典: Jinkawiki

Globalization

経済、文化、政治、環境問題など人類の活動とその影響が、国家や地域の境界を超え、地球規模で一体化していく現象のこと。地球(globe)からできたことばで、「グローバル化」ともよばれ、「地球規模化」または「地球一体化」と訳される。冷戦が1989年に終結して市場経済が旧社会主義国や開発途上国にも広がる一方、インターネットをはじめとする情報通信技術が飛躍的に発達した1990年代以降、世界に広がった。

似た用語である「インターナショナリゼーション(国際化)」が、国家と国家の間で生じる現象をさすのに対し、グローバリゼーションは国境の存在を超えて地球規模で生じる現象をいい、こちらの方が範囲が広い。

グローバリゼーションがもっとも進んでいるのが、貿易や投資が自由化された経済の分野である。世界の大企業は研究・開発から原料や部品の調達、生産、販売、金融までを世界でもっとも有利な地点で行うようになり、「多国籍企業」または「超国家企業」とよばれる巨大企業が世界の主要産業を支配するようになっている。経済は弱肉強食と優勝劣敗が支配する「むき出しの資本主義」となり、その結果、富める国や人はますます富み、貧しい国や人はますます貧しくなった。

経済では、巨大な金融機関が国境を越えて大量の資金を取引する金融の肥大化も進み、「カジノ資本主義」(イギリスの国際政治経済学者スーザン・ストレンジが、同名の著書のなかで、金融取引のありさまが賭場同然であるとした)の側面が強くなった。この結果、1990年代に入ってから世界各地で通貨危機が発生するようになり、1998年にはアジア通貨・金融危機が発生した。さらに2007年にはアメリカのサブプライムローン問題を発端とする世界金融危機が起き、2008年9月の「リーマン・ショック」以降、世界は第二次世界大戦後、最大の不況に陥った。

グローバリゼーションは文化面でも進行している。アメリカ生まれの外食産業(たとえばマクドナルド)や映画(たとえばハリウッド映画)、音楽(たとえばマイケル・ジャクソン)などが世界を席巻し、各国で文化の画一化、欧米化が進んだ。

政治面でも、国連の活動が活発になり、世界貿易機関(WTO)協定のような国際ルールが数多く制定されて、国家の支配権が制約される一方、国家や国民の枠にとらわれない非政府組織(NGO)が力をもつようになった。

環境・紛争・疫病などの問題もグローバル化している。地球温暖化をはじめ森林の減少、海洋汚染、生物多様性の喪失などは国境を越えた問題となっており、2001年9月11日にアメリカ・ニューヨークで発生した同時多発テロは、犯罪さえもグローバル化してきたことを示した。エイズ(HIV)のような新しい感染症は世界に広がり、2008年にメキシコで発生した新型インフルエンザはまたたく間に各国に広がった。

以上のような特徴をもつグローバリゼーションについては、経済や科学、技術、文化を発展させ、人類を豊かにするという肯定論がある一方で、投機資金の流出入によって外国為替相場や株価が乱高下して経済に悪影響を与える、労働基準や環境基準が緩められたり、福祉が切り捨てられたりする、外国の文化が流入して自国の文化や伝統的な社会制度が破壊される、といった批判も強い。

このため「反グローバリゼーション」の運動も広がっているが、グローバリゼーションの動きそのものを止めることはできないとの見方が多い。ただ、アメリカ中心で進んできたグローバリゼーションが、世界金融危機を契機に変容していくのではないかとみられている。

参照 http://100.yahoo.co.jp/detail/%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%AA%E3%82%BC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3/

ハンドル名 けん


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