スラム
出典: Jinkawiki
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スラムとは
スラム(すらむ、slum)とは、都市部で極貧層が居住する過密化した地区ある。スラムは、都市の他の地区が受けられる公共サービスが受けられないなど、荒廃状態にある状況を指す。世界中のほとんどの大都市にスラムが存在している。
スラムの特徴
・高い失業率
・貧困
・アルコール依存症・自殺などの多発
・伝染病の流行
・犯罪・麻薬の多発
スラムの特徴として、高い失業率と貧困が上げられる。このため犯罪や麻薬、アルコール依存症や自殺などが多発する傾向にある。発展途上国の多くでは、非衛生的な環境のため伝染病が流行していることが多い。貧困状態にある少数民族の居住区を指して、ゲットーと呼ぶこともあるが、日本語でのゲットーの意味は主にユダヤ人居住区を指すことが多い。
発展途上国の多くのスラムは、農村部などからの移住者などが首都などの大都市に、必要な労働力を超えて押し寄せること、すなわち労働力超過によって、彼らは行き場を失い、環境の悪い町外れなどの未開発の地域に無秩序に住み着き、スラム街が建設される。そのため、消防車や救急車といった非常用車両の通行ができないほど道が狭く込み入っている。これらは火事が広がって多くの犠牲者を出す、急病患者や怪我人が助からないなど生活環境を悪化させる要因になっている。
ゴミ収集車の立ち入りができないためにゴミの回収から地区全体が外されていることがあり、衛生状態を悪化させる要因になっている。いくつかのスラムは、ゴミ処理場の近くや中に作られており、ゴミのリサイクルで生活費を稼いでいる。
日本のスラム街
日本のスラムはドヤ街と呼ばれ、山谷 (東京都)、寿町 (横浜市)、あいりん地区 (大阪市)などが挙げられる。そこには、多くの日雇い労働者が路上生活をしている。
日本のスラムと途上国のスラムの違いとして、そこに住む人達の年齢がある。日本は、高度経済成長期に日雇い労働市場は拡大し、それに伴って、多くの労働者が地方から集まってきた。その頃、エネルギーが石炭から石油に移行し炭鉱が閉鎖されたことも、多くの日雇い労働者が集まった理由の1つにあがる。炭鉱で働いていた人たちの多くが日雇い労働者になったのである。
この頃に集まって来た人たちの割合が多いという理由と、日本のスラム街に住む人々の多くは家庭を持たないという理由から、日本のスラム街に住む人の年齢は高年齢化している。現在、日本のスラム街に住む人の平均年齢で50歳前後と言われている。
日本のスラム街は高年齢化に伴い、規模が小さくなってきている。今後、さらに規模が小さくなると予想されている。これは良い事であるが、一方で、問題点として、高年齢化して日雇い労働が出来なくなったスラム街に住む人々をどう保護していくかという事が問われている現状にある。