チェルノブイリ原発事故

出典: Jinkawiki

チェルノブイリ原発事故とは1986年4月26日に旧ソ連のウクライナ共和国のチェルノブイリ原子力発電所で起きた原子力事故である。当時のチェルノブイリ原子力発電所には4つの原子炉が稼動していたがそのうちの4号機が炉心溶融を起こし爆発した。炉心溶融とは、原子炉の中の水位が下がり、炉心が水中から露出すると燃料の温度が上昇し、燃料を入れた金属製の器が溶けることをいい、一般的にメルトダウンとも言われる重大事故である。
事故当時の4号機は操業を停止しており、原子炉が止まった場合を想定した実験が行われていた。この実験中に出力が急上昇し、制御不能になり炉心が融解し爆発したとされている。爆発により大気中に放射性物質が大量に放出し11エクサベクレルが放出された。この量は広島に投下された原子爆弾の500倍とも言われており、事故による放射能はベラルーシ、ウクライナ、ロシアにまで達し広い範囲が汚染された。 事故が発生してから政府は事故を公表しなかったため周辺住民の非難は大幅に遅れることになった。事故後に爆発した4号機をコンクリートで封じ込めるためにおよそ80万人の労働者が動員された。事故直後には消防士ら31人が死亡し、急性放射性障害で203人が入院した。
この事故による放射能汚染はベラルーシ、ウクライナ、ロシアの三国だけでも900万人以上が被災し40万人が移住させられ、欧州各地でも食物が汚染されて大量に処分され、全世界でも放射能が観測された。2001年にロシア副首相が、事故処理作業をした旧ソ連の5万5000人が放射線障害で死亡との推計を発表した。2005年には国際原子力機関(IAEA)と専門家による「チェルノブイリ・フォーラム」が事故処理作業員と高濃度汚染地域の住民の今後を含めた死者は4000人との推計を発表した。また2006年に世界保健機構(WHO)は対象地域を広げ死者9000人とし、国際がん研究機関は欧州全域を含め1万6000人と発表した。現在でも原子力発電所から半径30km以内での住居は禁止されており、原発から350kmの範囲内では農業や畜産業なども禁止されている。


参考
「コトバンク」http://kotobank.jp/
「よくわかる原子力」http://www.nuketext.org/threemile.html

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