マルクス主義2
出典: Jinkawiki
《概要》
カール・マルクスの社会思想に依拠した運動であり、共産主義の一つ。 ドイツの古典哲学、イギリスの古典経済学、フランスの社会主義が思想的な源泉だとされる。 労働者階級をプロレタリアート、資本家階級をブルジョアジーと呼び、労働者が資本家から剰余価値を搾取されていると考えた。また、労働をブルジョアジーによるプロレタリアートの疎外という概念で説明した。つまり、ブルジョアジーを支配者、プロレタリアートを被支配者とし、資本家が利益を追求する以上労働者は労働者のままであり、資本家によって富から疎外されているととらえた。この搾取と疎外が経済格差などの社会問題を生み出す原因であると考えた。 弁証法的唯物論(史的唯物論)では、下部構造によって、上部構造が決まり、下部構造が変われば上部構造も変わると考えた。また、歴史的にはこの関係を一方向的な図式で捉えたため、人間の主体や創造力を軽視・無視する傾向が支配的となったこともあり、これはマルクス主義の負の遺産であり、ドイツ・イデオロギーに見られる人間主義的なマルクスの思想とは異質のものである。 歴史観においては生産力の発展が歴史の推進力であり、発展に応じて、原始共産制→奴隷制→封建制→資本主義と社会が発展していく(唯物史観)とした。そして、その資本主義の究極の発展により、社会が弁証法的に否定の否定がなされ、ふたたび、共産制に転ずるというのがマルクス主義の基本理論である。 この資本主義がブルジョアジーによる搾取であり疎外であるとしたので、プロレタリアートによる暴力革命によって共産主義に取って代わることのみが、社会問題を解決できると考えた。 その運動は20世紀に活発になり、ソビエト連邦をはじめ、アジア・東欧・アフリカ・カリブ海域において、多くの共産主義国が作られた。 しかし、1991年のソビエト連邦崩壊に前後して、ほとんどの共産主義国は姿を消した。国家自体は維持したまま共産主義体制を放棄したケースもあれば、共産主義体制放棄とともに複数の新たな国家に分裂したケースや、近隣の資本主義国家に吸収統合される形で共産主義国家ごと消滅したケースもあった。
また、「戦争と大失業の時代」の到来の中で、マルクス主義の真の力の復権が今や死活的な意味で待ったなしになっている。
スターリン主義の歴史的崩壊の一方で、資本主義-帝国主義の基本矛盾の爆発が歴史を画する形で始まっている。帝国主義国-新植民地主義体制諸国-旧スターリン主義・残存スターリン主義諸国の全体をとおした全世界の労働者階級・被抑圧人民の現実の課題として、世界革命-世界的な共産主義の実現を目指す運動の再創造の歴史的復興の時が来ている。
この時を逃さぬ闘いの実現のためにこそ、われわれは「二十一世紀の早い時期におけるプロレタリア革命の実現」をめざして、マルクス主義の理論と実践の原点からの復権に取り組んでいるのである。
《参考文献》
週刊『前進』(2015号6面2)
http://www.zenshin.org/f_zenshin/f_back_no01/f2015.htm#a6_2
http://note.masm.jp/%A5%DE%A5%EB%A5%AF%A5%B9%BC%E7%B5%C1/より引用