モンテッソーリ教育4
出典: Jinkawiki
モンテッソーリ教育
特徴
自由に個別活動
子どもは、集団で同じことをするのではなく、一人ひとり自分の敏感期の活動に出会えるように、自由に個別活動を行いる。自分で自分の活動を選び、自分のリズムで納得行くまで繰り返し活動する。
子どもの中の自発性を重んじる どの子どもにもある知的好奇心が自発的に現われるよう、子どもに「自由な環境」を提供することを重要視する。
縦割りクラス
異年齢混合の縦割りクラスの中で、子ども達はお互いから学び合いる。年下の子どもは年上の子どもの活動を見て学び、年上の子は年下の子に世話をすることや教えることで学ぶ。
モンテッソーリメソッドの5分野
子ども達のそれぞれの敏感期を背景に、5つの分野のお仕事に分けられる。
日常生活の練習
洗濯やアイロンがけなど日常生活の様々な練習を通し、自分の生活を依存から自立へと成長させ、さらには精神的にも自立する心を育てる。
【用具の特徴】 ・子どもサイズであること(子どもが扱いやすいもの) ・本物であること(例えば、水を注ぐピッチャーも落とせば割れてしまう陶器やガラス製のもの)・・・慎重に扱うことになれる ・色や形が美しい(子どもが思わず手を出したくなるもの) ・清潔であること(簡単に洗えて清潔に保つことができ、子どもが汚れに気付くもの)
感覚教育
モンテッソーリは、子どもは3歳から6歳の間に、視覚、聴覚、触覚、臭覚、味覚の五感が著しく発達する特別な時期があることに気付いた。感覚の発達は知的活動の基礎となるので、モンテッソーリ教育の中でも特に重要視されている。
<円柱さし>ブロックからいろいろな大きさの円柱を抜き、ばらばらにし、また対応する穴に戻すという活動 【教具の例】 ・円柱さし・・視覚・・大小、高低、太細などを識別 ・触覚板・・触覚・・粗さ滑らかさなど識別 ・音感ベル・・聴覚・・音の高低
言語教育
コミュニケーション力は社会生活の基礎であり、また、思考の道具である言語は人間にとってとても大切なものです。「話す」「書く」「読む」だけではなく「文法」まで学ぶ。
【教具の例】 ・絵合わせカード・・果物、動物、乗り物のようにテーマが決まっている。例えば、果物の場合、りんごの絵を描いたカードが2枚、バナナの絵が2枚というように同じ絵のカードが2枚ずつあり、一方は名前入り、他方は名前なし。(2枚×6~7)そして「りんご」「ばなな」と書かれた名前だけのカード(6~7枚)がある。 ・50音並べ・・50音表の1字1字がバラバラのパズルになっている
算数教育
数を表す要素には三つの形態があり、モンテッソーリの算数教育では、これらを三者と表している。具体的に感覚で捉えることのできる物「量物」、その量物を言い表す時に使う「数詞」、書き表す時に用いる記号の「数字」の三者である。これらの三者が一致して初めて数量概念を身につけたと判断する。
例えば、数量「●●●●●」を量として捉え、数詞「ご」と言い表すことができ、数字「5」と書き表すことができるようにする。
【教具の例】
10進法のビーズ ・10進法のビーズ 10進法の1はビーズ1粒 10はビーズ10粒(針金に10粒のビーズを通したビーズの棒1本) 100はビーズの棒100粒(10本のビーズの棒でできた正方形の板) 1000はビーズ1000粒(ビーズの板10枚でできた立方体) ・算数棒と数字カード ・切手遊び
文化教育
動植物、地理、地学、歴史、道徳(宗教)、音楽、体育、美術などが含まれる。生命の神秘への興味や芸術に関する表現力など多岐にわたった能力を育みる。
【教具の例】 ・太陽系の惑星の模型 ・世界地図、日本地図パズル ・動植物の絵カード
環境構成のポイント
1.子どもの活動に適切であること(用具は子どもサイズであること)
2.色彩、形などが子どもに魅力的であること
3.制限のあること(1セットずつ備えておく。自分のやりたい教具をお友達が使っている場合、待つことを覚え、社会性を身に付ける)
4.誤りの訂正が自分でできるように(教具の使い方に誤りがあれば、自分で気付くように工夫されている)
5.できるだけ本物であること(本物の持つ美しさを感じられるように。また、壊さないように慎重に扱うことに慣れる)
6.子どもの成長達や文化的発展に連なるようにする
モンテッソーリ教師の心得12か条
1.環境に心を配りなさい。 環境を整え、間接的に子どもを導くことが重要。
2.教具や物の取り扱い方を明快に正確に示しなさい。 子どもに的確な援助をするために、教師は教具の使い方を繰り返し練習しなければならない。
3.子どもが環境との交流を持ち始めるまでは積極的に、交流が始まったら消極的になりなさい。 能動的な精神を持ちながらも、子どもが仕事に集中している時は受動的な立場で、暖かく見守り観察する。
4.探し物をしている子どもや、助けの必要な子どもの努力を見逃さないよう、子どもを観察しなさい。 子どもの喜びを大人の代行で奪ってしまわないように。しかし、助けが必要なタイミングは逃さずに。
5.呼ばれたところへは、駆け寄り、交歓しなさい。 呼ばれたときにすぐ行けば、2,3分ですむことが、そうしなかったために30分かけてもダメということにならないように。
6.招かれたら、耳を傾け、よく聞いてあげなさい。 子どもが直接、言葉で表現していない要求も含めてくみ取るように。
7.子どもの仕事を尊重しなさい。質問したり、中断したりしないように。 大人の一方的な都合で、子どもの仕事を中断したり、妨げたりしないように。
8.子どもの間違いを直接的に訂正しないように。 大人が思っている以上に子どもはプライドが高いので、直接的に間違いを正すのではなく、子ども自身に気付かせるように。また、間違わないように仕向けることもしないように。間違うことで学んでいくのだから。
9.休息している子どもや他人の仕事を見ている子どもを尊重しなさい。仕事を無理強いしないように。
10.仕事を拒否する子ども、理解しない子ども、間違っている子どもは、たゆまず仕事への誘いかけを続けなさい。
11.教師を捜し求める子どもには、そばにいることを感じさせ、感づいている子どもには隠れるようにしなさい。
12.仕事がすんで、快く力を出しきった子どもを静かに認めながら現れなさい。 決して安っぽい言葉でほめないこと。子どもの心に安らぎを与えられるように。
参考文献:「おかあさんのモンテッソーリ」(サンパウロ/著:野村 緑)
ハンドルネーム:bunkyo wo aisuru mono