リベラリズム
出典: Jinkawiki
自由主義。国家によって指令された思想や政治権力に流されず、個人の自由を尊重する思想。ただし、自己責任や自己決定がキーワードになるリベラリズムは90年代になってからであり、リベラリズムは時代とともに変化してきた。 イギリスの哲学者グレイはリベラリズムを「個人主義・普遍主義・平等主義・改良主義」としているが、これはロールズの「正義論」後の現代のリベラリズムとは異なる。また、ドゥオーキンは「異なる善の構想に対する中立性」とし、ロールズは「善に対する正(正義)の優位」としている。
古典リベラリズム
ヒュームやアダムスミスの系譜に属し、のちにハイエクやポパーによって主張されるような非設計主義で斬新主義的な自由主義。
修正リベラリズム
J・ベンサムやJ・Sミルの系譜に属して社会のあり方を合理的に秩序付けるための原理を追求しようとしたもの。
現代のリベラリズム
修正リベラリズムに連なるもの。しかし、同じというわけではなく、現代のリベラリズムは、ロールズの正議論、ベンサムやミルの「功利主義」を批判し、それに代わる規範的原理を打ち立てることを目指すものである。
現代にあるリベラリズムの産物の例
ゆとり教育は本来、「自律した創造性のある人間」を育てるという目的がある。リベラルな未来を担っていく人間を育てるためのものだが、「のびのびと自由に育てる」と誤解されがちである。
語源
ラテン語の「liber」は「社会的・政治的に制約されていない」「負債を負っていない」という意味で、英語の「liberal」(形容詞:自由な)や「liberty」(名詞:自由)の語源となった。自由主義の「liberalism」はこれに起因する。また「liberate」(動詞:開放する)、「liberator」(名詞:解放者)、「liberation」(名詞:解放)も同じ語源による。一方で、ラテン語には母音に長短の区別があり、母音が短く「書籍」を意味するliber(記述は同じ)とは別系統であり、libr-の形で英語に入った「library」(図書館)、「librarian」(図書館員)がある。
参考文献
リベラリズムとは何か 盛山和夫 勁草書房