生涯学習

出典: Jinkawiki

生涯学習とは、人が生涯にわたり学び・学習の活動を続けていくこと。(life-long educationの和訳)


起源

これは、ユネスコのポール・ラングランが1965年に初めて提唱したもので、元来はlife-long education、すなわち生涯教育といわれた。日本では、心理学者の波多野完治が、この概念を日本へ紹介した。 近年まで教育はこどもや他人に教えるあるいは教わるという形態が主だった。教師、親の指導に従って学ぶというもので、20世紀初頭の「児童の世紀」がスローガンになった大正自由主義教育運動では、それを「旧教育」と呼んだ。当時にあっても、こどもの自発性や創造力を重視することこそが、「新教育」だと考えられていた。最近では更に「自らデザインし、自ら学ぶ」、「自分で学ぶ」という行為も教育の本来の姿として強調されるようになってきた。これは、こどもに限らず成人についても当てはまる。 人は、学校教育に限らず、社会や職場においても、または家庭の専業主婦としていても、さらには社会の第一線から退いていても、自分のキャリアを切り開いたり、また趣味や娯楽として、はたまたライフワークとして、何か新しいものを学び続けたり、ボランティアとして地域社会や特定のニーズを抱えた人たちのためにサービスを提供するために、継続して学習を通して自らを高めることには高い価値があると一般的に考えられている。


現在の大学では

近年の日本では大学の社会人入学制度などを利用しキャリアアップを図ることなどが、生涯学習の例として目立ってきている。日本では、社会人入学制度は女性が利用する例が多く、男性の利用に対する偏見が残っているとの指摘もある。また、大学における教育では、大学教員が作成したカリキュラムを受講生に押し付けがちで、学生自身がカリキュラムを作成していくという形にはなりにくい。「自らデザインし、自ら学ぶ」、「自分で学ぶ」という行為も教育の本来の姿として考える立場からは満足できない状況が多い。 大学における生涯学習では、少子化、大学全入時代を前に手持ちの教育インフラが活用されている。文部科学省の指導もあって、現在では昼夜開講制や夜間大学院の制度を導入して社会人でも高度な教育を受けられるようにカリキュラム編成をしている大学が増えている。 2004年、日本初の生涯学習学部を擁する八洲学園大学が開学した。


参考文献

「生涯学習と地域社会教育」 末松誠・松田武雄著

http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/manabu/


  人間科学大事典

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