アルクマール事件

出典: Jinkawiki

アルクマール事件

患者は95歳の女性で、この患者は1980年に安楽死を求めるリビング・ウィルにサインしていた。 そして病状は悪化し、82年に意識を失った、その後意識を取り戻したが、こんな状態を繰り返しながら生きていたくないと訴え、かかりつけ医だったスホーンハイム医師に安楽死を求めた。医師は自分の助手の医師と患者の息子に相談、2人とも安楽死に同意した。スホーンハイム医師は患者に最後の説明をし、話し合った。このとき患者は話すことが出来るまでは回復していた、どうしても死にたいと訴える患者は耐えがたい苦痛にさらされながら生きているとスホーンハイム医師は判断し、安楽死を実行、自ら警察に届け出た。 83年、第一審のアルクマール地裁は医師に無罪判決を下した。無罪判決の根拠はオランダ刑法40条が定める不可抗力によって罪を犯したものは処罰されないという条項。生命を救う義務と、患者を苦痛から救う義務の狭間にたたされ、不可抗力による選択を迫られたため、違法性は阻却されると論理付けられた。 このアルクマール事件の最高裁判決が出る前に王立オランダ医師会は、安楽死が容認されるとする5つの要件をしめした。

1. 要請者の自由意志に基づく自発的要請であること

2. 熟慮された要請であること

3. 持続性を持つ要請であること

4. 受容できない苦痛を伴うこと

5. 医師が同僚と相談した結果であること


  人間科学大事典

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