イマージョンプログラム
出典: Jinkawiki
イマージョンプログラム
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概要
カナダで開発された第二言語教育である。今では、アメリカ、オーストラリア、ハンガリー、香港、南アメリカにまで広がっている。 このプログラムは英語・フランス語一方を母語とする学習者、またはフランス・英語両者を母国語としない学習者に対して中等教育終了時までに、フランス語圏での活用、フランス語が作業言語である職につく・大学教育をフランス語で受けることができる程度の運用能力を身につけることを目的としたプログラムである。 また、言語の習得だけではなく、フランス語を学ぶことでフランス語系住民に対する理解、ひいては多くの異文化の理解を深めることも目的としている。 (カナダの公用語はアメリカに近いという理由から、英語とフランスの植民地だったという経緯からフランス語両方である)
経緯
なぜ、英語・フランス語の両方が公用語となり、第二言語教育が実施されたかというと下記のとおりである。 1960年代、国民の多数を占める英語話者とフランス語話者の間での収入格差、社会的地位の大きな違いがあり、当時、低地位に位置していたフランス語話者が、カナダ社会における英語とフランス語使用機会の不平等が、自分たちの低地位である状況に結びついているとの訴えが起きる
1963年政府は二言語・二文化主義王立委員会を設置し、両話者の対等なパートナーシップを目指して、その現状を調べた。その結果、両言語の使用機会に不平等があり、それが両者の間に経済的・社会的地位の格差をもたらすだけでなく、集団のアイデンティティー形成の阻害原因になるとした。
1969年 公用語法制定、両者を公用語とし、両言語による政府の公共サービス、連邦機関における両話者のバランスのとれた登用、連邦政府職員の職場における言語選択の自由などを定めた。
1970年 「教育における公用語プログラム」発足、その地域で少数派となる公用語話者が通う学校への支援、更に、第二公用語の習得支援への財政支援を実施。
詳細
以下の項目は、英語が母国語であるケースを念頭に説明する。 イマージョンプログラムは、第二言語を教科の一つとして指導するのではなく、英語を除いた、各教科をフランス語で指導する学校教育をさす。 州によって、どの教科を第二言語で指導するのか、さらにフランス語での授業の時間配分などが異なっている。また、開始年齢でカリキュラムが微妙に異なる。 学年が上がるにしたがって、フランス語の使用割合が増えて行く。 例をあげると 早期イマージョン:5、6歳から始める。 教師は、両方の言語に精通している必要があり、授業において全面的に英語が禁止されているわけではなく、英語での質問は許される。 に対して 晩期イマージョン:11歳から14歳の間に始める のプログラムではフランス語がある程度話せることを前提にして、授業の約80%がフランス語での授業を実施となる。
問題点
1、第二言語の使用が、学校での授業に限られ、言語そのものを教えているわけではないため、教科書の内容に関してだけしか通用しない場合が多い。
2、両言語に精通しており、教員免許を持っている人材がすくない。