エボラ出血熱2

出典: Jinkawiki

エボラ出血熱とはウイルス性の感染症であり、致死率の高さが20%から最高で90%と非常に高いことから各地域で恐れられている。ウイルスの型は2015年現在で知られているのは5種類であり、種類によって致死率が異なる。エボラの流行は新規感染者が42日確認されなかった場合に収束したと考えられる。これが必ずしも出血症状を伴うわけではないことから、近年ではエボラウイルス病(EDV)と呼ばれることが多い。

目次

症状

感染の症状としては第1期では高熱、頭痛、筋肉痛、全身衰弱、強い脱力感、のどの痛みなどを引き起こす。さらに感染が進んでしまい、第2期では嘔吐、下痢、発疹、多臓器不全などがみられる。吐血や血性下痢、皮下出血などの体内の複数の場所で起きる出血症状がみられてのは10%以下であり、衰弱や下痢等の消化器症状が目立った。

流行地域

まず初めに1976年にザイール(現在のコンゴ民主共和国)のエボラ川流域の村とスーダンの南部(現在の南スーダン)のヌビアで同時期に集団感染が確認された。以降、数年ごとに流行を繰り返している。流行地域はほぼアフリカに限られていたのだが、2014年2月に西アフリカのギニアで流行が始まった際、シエラレオネ、リベリア、ナイジェリアへと拡大した。

感染経路

アフリカではエボラウイルスに感染したコウモリや猿などの野生動物の死体などへ接触したことによって感染が始まったとされている。ウイルスは感染した人や動物の尿、汗、血液、母乳などの体液から感染するのであり、空気感染はしない。また、発症していない人から感染することもない。また、直接肢死体に触れる葬儀の習慣がある地域ではその行為が感染拡大の主因になることがある。感染をしている人がそれに気づかずに飛行機などで移動したりすることで、感染の広まっていない地域でも感染をしてしまう恐れがある。

診断方法

目の充血や筋肉痛、発熱などの初期症状は日ごろも起こりうるものであり、また他の病気と症状が似ているため診断が難しいとされている。その中でも、感染が疑われる理由がはっきりとしている場合は患者を隔離し、確定診断をするために医療機関で数種類の検査を受ける必要がある。迅速診断としては、ウイルスゲノムのRT-PCAもしくはリアルタイムRT-PCRによる検出方法、ウイルス抗原検出ELISAによる検出方法が行われている。抗体の検出方法としてはIgG-ELISA,IgM-捕捉ELISA、間接蛍光抗体法がある。

治療方法

治療方法としては、未だに有効な治療薬や予防ワクチンがないため対症療法のみに限られている。その方法としては、下痢で脱水症状を起こしている患者への点滴や、併発感染症を避けるための抗生物質の投与、また鎮痛剤や栄養治療食、ビタミン剤の投与などがあげられている。対処療法をして状態を保つことにより患者自身の免疫システムがウイルスに打ち勝つための必要な時間を稼ぐことができるのである。もし、患者がエボラを克服し完治した場合は、その人が感染したウイルスの型に対する免疫を持ったということを意味する。

予防

予防方法としては石鹸でしっかりと手を洗うことや、感染が疑われている人や動物の体液に触れないなどの基本的な衛生管理で感染のリスクを下げることができる。

治療施設での対応

治療施設での対応としては、感染者は隔離された状態で防護服を着用しているスタッフによって治療を受けるとしている。国境なき医師団(MSF)では、治療に当たるスタッフの感染を防ぐために、普段から現場に向かう可能性のあるスタッフへのトレーニングを重点的に行い、厳格な予防のためのルールを実践している。

学校保健安全法における取扱い

2014年8月の時点での学校保健安全法におけるエボラ出血熱の取り扱いとしては、第1種の感染症として定められており、治癒するまで出席停止扱いとされる。また、以下のような場合も出席停止期間とされる。 ・患者のある家に居住している者または感染している疑いがある者については、予防処置の施行その他の事情により学校医やその他の医師によって感染の恐れがないと認められるまで ・発生した地域から通学する者についてはその発生の状況により出席停止が必要であると認めたとき、学校医の意見を聞いて適当と認める期間 ・流行地を旅行などで訪れた者については、その状況により出席停止が必要であると認めたとき、学校医の意見を聞いて適当と認める期間

参考文献

1.http://www.msf.or.jp/news/ebola.html 2.http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/342-ebora-intro.html

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