グリーフ
出典: Jinkawiki
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グリーフとは
グリーフとは「心が悲しみで重くなる(いっぱいになる)」という状態を示す言葉として用いられていた。1940年代の初頭に精神分析医のリンデマンによってグリーフの概念が学問上に登場した。リンデマンはグリーフを「身体的・心理的な症候」と定義した。また20年後には、ボウルビーがグリーフを「悲哀の過程で生じる落胆や絶望などの情緒的体験」と定義し、ボウルビーと共に共同研究を続けてきたパークスがグリーフを「愛するものとの死別により生じる心理的反応」と定義した。このようにグリーフに関して多くの研究者によって定義されてきたが、いまだに一致した見解はない。なぜなら人それぞれ病気や悲しみについてなど自分の思う世界観が異なるからであるといえる。
グリーフケア
グリーフケアは「大切な人を亡くした人への介入や支援」という意味合いが強い。また、「大切な人を亡くした人がグリーフを乗り越えていくように支援すること」と位置づけられているものも多い。つまり死別の悲嘆にある遺族を援助したりケアしたりするものだといえる。しかし、グリーフの定義と同じように、グリーフケアも人それぞれによって思いかたや環境も異なる。それ故にグリーフケアを一括りでまとめようとするとケアの中身をかえって限定的にしてしまう可能性もある。
グリーフワーク
グリーフワークは、グリーフケアと異なり死別の悲嘆を抱えた遺族が自ら「悲しむ」ということによってなす作業のことです。死別によって生じた大きな喪失で、精神状態が安定せず、身体的疾患も経験しながら、徐々に喪失の現実を自分の中で受け入れ、意識的に了解し、死者なき新しい現実生活に対応していこうという気持ちに至る苦しいプロセスであり作業のことである。このような辛いプロセスや作業を経ないと喪失自体を受け入れることが困難であるほど、愛する者と死別することがもたらす喪失は大きいのであるといえる。
参考文献
一般社団法人 日本グリーフケア協会 http://www.grief-care.org/about/ 碑文谷創 グリーフとはなにかhttp://www.sogi.co.jp/sub/kenkyu/grief.htm 臨床死生学テキスト編集委員会(編)『テキスト臨床死生学』、勁草書房
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