チャイナタウン
出典: Jinkawiki
チャイナタウンとは何か
チャイナタウンは、海外の都市における華人の集中居住地区であり、さまざまな民族集団から形成された街の一つである。世界中から集まってきたさまざまな民族集団から構成されたアメリカの大都市には、黒人街、ユダヤ人街、プエルトリコ人街、イタリア人街、ギリシャ人街、メキシコ人街、キューバ人街、日系人街、韓国人街、ベトナム人街などが形成されている。これらの中でもっとも活気があり、レストランが集中した街はいえる。
また、チャイナタウン華人の現地社会への適応様式を如実に反映しており、日本、東南アジア、アメリカなど世界各地のチャイナタウンを相互に比較すれば、それぞれの地域に応じた個性がみられる。多種多様な店舗がある中、もっとも目立つのは中国料理店の多さである。そのほか、華人を対象とした銀行、旅行会社、みやげ物店、映画館、書店などがみられる。これらのビジネスは、華人へ各種のサービスを提供するという側面のみならず、華人へ雇用の機会を大量に提供するという重要な意味をもっている。
世界の華人
世界の華人人口を把握するのは難しく、他の民族との混血が進んでいく中で、どこまで華人の範疇に入れるかの基準が不明瞭である。参考として世界の華人の推定人口をみてみると、世界の華人人口は約2529万人になる。そのうち、アジアに全体の82パーセントに相当する2081万人が集中していて、南北アメリカに317万人、ヨーロッパに78万人、オセアニアに42万人、アフリカに11万人となっている。
中国国内において、多数の華人を海外に送り出してきた地域はある程度限られている。
福建人は、シンガポールがイギリスの植民地になった1819年以来、人口規模においても、経済的地位においても優位な地位を占め、シンガポール華人社会の中枢をなしてきた。1990年のシンガポールの人口調査では全華人の42パーセントが福建人だった。このような状況は、マレーシアのペナンやマラッカでも同様である。
朝州人はタイの華人社会において最大の方言集団といえる。そして、タイといえば世界最大の米輸出国であるが、精米業、輸出業などの流通はもっぱら朝州人の専門分野であった。シンガポールにおいても米の輸出は朝州人が手がけていた。
広東人は多数ある華人方言集団なかで目立つ存在といえる。世界のよく知られたチャイナタウンの多くは、広東人が中心となって形成されている古くから貿易において優れた力量を発揮してきた福建人や朝州人が海上商人型であるのに対し、広東人は飲食業、建設業、貴金属業、機械業などの分野で活躍し、職人型であるといわれている。
参考文献
『チャイナタウン 世界に広がる華人ネットワーク』 山下清海 丸善ブックス 2000年